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2005年7月15日 (金)

見世物小屋

 靖国神社のみたま祭りに行く。目的は見世物小屋の見物。昨年の同じみたま祭りで二十数年ぶりに見た見世物小屋は正に断末魔。看板の蛇娘は居らず、呼び込みの爺さん、木戸銭の婆さんの他に、芸をするのは悪魔の格好をした若い兄ちゃん一人。その芸も蛇を食いちぎる以外は、鎖を鼻から口に通す、溶けたロウを含んで火を噴く、扇風機を舌で止めるなど、見世物というより体を張った芸だった。

 子供の頃見た見世物小屋とは余りにも変わってしまって、もう消滅してしまうんだろうと思いつつ、今年も見届けるつもりで見に行った。ところが……

 去年とは全然違ったのだ。芸人の数が十人近くになり、舞台上には4人編成の生バンド。構成は「地獄」と「極楽」に別れて、「地獄」は蛇娘のピン芸。蛇を食いちぎる以外はどうって事ないが、蛇娘が劇的に若返っている(三十才前後?)。何でも青森のサーカスが倒産して移ってきたんだとか。「極楽」は生バンドの伴奏で娘5人組のレヴューと手品や風船呑みを組み合わせたショー。とにかく華やかで、いかがわしくて、熱気があって。木戸銭600円が安く感じられた。

 帰りに神楽坂、みちくさ横町の「まつや」に寄る。老夫婦が健在で嬉しくなる。

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