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2005年7月24日 (日)

江戸川乱歩「妖星人R」(光文社文庫)

 刊行中の「江戸川乱歩全集」全三〇巻の第二十三巻。

 小学五年生の時にこの作品に出会わなかったら、はたして私は今ほどの活字好きになっただろうか?。いや、きっとなったと思うのだが、とにかくも生まれて初めて「面白さの余り、寝食を忘れて貪り読んだ」小説。小学生の内にもう一度読み直しているので、二十数年ぶりの再読。

 少年物も含めて乱歩(の小説)を読破してから読めば当然感想は変わる。最晩年の一作故にトリックは使い古しばかりで新味無し。少年探偵団員がみんな揃って二十面相に催眠術でうなされた上に、明智小五郎と二十面相の催眠術比べとは恐れ入る。探偵小説で「みんな催眠術にかかってました」という種明かしは、大乱歩以外には許されないだろう。それでも、明智と二十面相の空中対決は、やっぱりハラハラさせられる。乱歩の語り口の妙にはただ感心するのみ。子供を夢中にさせるのは筋道立ったトリックではなく、飽きさせない語り口なのだ。十一才の自分が夢中になったのも無理はない。

 因みに私が初めて読んだのはポプラ社版の「少年探偵江戸川乱歩全集」で「天空の魔神」が併録されて「空飛ぶ二十面相」と改題された一冊。銚子の海から這い上がったカニ怪人の手前に小林少年(銚子でカニ怪人に遭遇したのは別所次郎君だけど)、背景に悪魔仕様の二十面相という装丁だった。

 ついでに書くと、古本屋かオークションでしか手に入らなくなった乱歩の通俗長編(と幾つかの短編)を子供向けにリライトした、ポプラ社版「少年探偵江戸川乱歩全集」の二十八~四十七巻が読み直したい。r20 「蜘蛛男」の前半や「人間豹」の文代さんの危機を、どうやって子供向け健全路線に書き直しているのか読み直して見たい。

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