放っといてくれ
日曜日に行くことが半ば習慣化してきた赤羽の「まるます家」に今日も寄る。とりあえず小生ビールと鯉の洗いを頼んでから今日は何を食べようかと考える。鯉のうま煮と、固定メニューにはない鰻の山椒煮を頼んだ。それぞれは旨いのだが、似たような傾向のものを並べてしまい選択ミスだなと思う。
鯉こくを頼んでシメにしようと思ったら、隣(カウンターの角にいたので正確には斜め前)のオッサンが話しかけてくる。
「すごいねえ川魚ばっかり。どこの生まれ?」
面倒なことになったなと思いつつ、
「東京ですよ」
と答える。するとオッサン
「五代前はどこの出身?」
と、素人とは思えない鋭い突っ込み。どこにしようかと一瞬思案するが、
「飛騨の古川です」
と正直に答える。
「そうなの、飛騨高山には行ったことあるけど。俺は群馬なんだ。」
もちろんこの先が喋りたくてオッサンは話しかけているわけだ。
「この店には子供の頃から五十年通ってる。今日は墓参りに行ったけど福田(前官房長官)も一緒だった。奴は東大の経済学部、俺は文学部卒だからかなわない」
この手の話はみんな同じようなものなので、適当に相槌を打っている。他にも色々与太話を聞かされる。まあ、罪のない話なので腹も立たないのだが・・・。
知らない人と話し込んだりするのは余り好きではない。大衆酒場で一人で酒を飲むのが好きだが、話し相手は要らない。周りの客や、従業員の仕事っぷりを眺めているのが好きなのである。仕事が接客系なので、勤務時間外は気の置けない連中とだけ馬鹿話をしていればいい。
面白がってこっちも与太話が出来るくらい出来上がっていれば話は別だったんだけど・・・。鯉こくを片付けてさっさと退散。でも、お盆だったことを思い出して親父の家に寄り、仏壇にお線香を上げてくる。東大のオッサン、お盆だって教えてくれて有難う。
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