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2005年8月28日 (日)

川柳川柳独演会

川柳 高座五十年 懺悔会

二〇〇五年八月二六日(金)なかの芸能小劇場

( 前 説 )川柳つくし&鈴々舎わか馬

「 首 屋 」川柳川柳

「 山号寺号 」柳亭市馬

「ジャズ息子」川柳川柳

(歌謡ショウ)川柳川柳(唄&ギター)、柳亭市馬(唄)、

       鈴々舎わか馬(ギター&コーラス)、川柳つくし(ウクレレ)

「ラ・マラゲーニャ」川柳川柳

 去年の独演会は予約したのに急に都合が悪くなり行けなかった。今年はリベンジが叶う。

 後で自ら「緊張した」と言っていた圓生直伝の「首屋」。マクラから本題に入るところで眼鏡を外しての熱演だったが、最初からたどたどしくて演者も客席もハラハラし通し。寄席でやったら「下手」の一言で片付けられそうな気がするが、今日の客は川柳独演会の客。「川柳の古典を聞きたい」よりは「古典をやる川柳を観たい」のが本音。更に言えばつっかえたり、間違ったりしないか期待を込めてハラハラしているのだ。

 市馬師の「山号寺号」は休憩みたいなもの。この人の高座は本当に安定している。幾らでも新しい山号寺号を織り込んで、現代版にアレンジが可能な噺だが、余計なことはあまりしない演出。一応「川柳さん助平オヤジ」と御祝儀代わりが入っていたのはご愛敬。

 中入り前はお馴染み「ジャズ息子」。本の宣伝はなく、カセットテープ(後述)の宣伝をしてから入り、たっぷり三十分。やはり生で観る「ジャズの真似」は最高に面白い。

 川柳歌謡ショウは川柳師が二十曲、市馬師が七曲を唄い、たっぷり一時間。全体の内知っている曲が三分の一、知らない曲が三分の一、川柳師が唄うから知っている曲が三分の一という構成。

 飛び道具「ラ・マラゲーニャ」を生で観るのは二度目。七年前からの相違点は、前奏の時ギターの胴を指で弾いて「こんなことしなくていいんだけど・・・巧そうに見えるから」というのが無くなり、落ちの後の唄が長くなったこと。前のやり方の方がすっきりしていたように感じる。

 川柳師七十四歳。髪はすっかり白くなったが、声の張りは全然変わらない。まだ当分は元気な姿を見られそうで嬉しい。今回は落語初級者のKちゃんを「もうすぐ死んじゃうから今の内に観ておきな」とそそのかして一緒に行ったのだが、志の輔や喬太郎が好きな彼女も結構楽しんでいた様子だった。よかったよかった。

 ロビーで売っていたカセットテープは以前「談志が選んだ艶噺」シリーズCDに入っていた破礼噺四席と、オマケに「マラゲーニャ」が入っている。CDでは編集されていた「東宝オ××コ事件」の未編集ヴァージョンが聴けるかと期待して買ったのだが、CDからのコピーだった上にダビングを繰り返したような情けない音質。オマケに入っている「マラゲーニャ」だけが買った甲斐ありだった。

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