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2005年9月20日 (火)

池袋演芸場九月中席千穐楽

二〇〇五年九月二〇日(火)昼の部

( 漫 才 )ロケット団
「 本 膳 」桂 文ぶん
「 壺 算 」橘家圓太郎
(曲 独 楽)柳家とし松
「初 天 神」柳家 〆治
「金 明 竹」桂 南喬
( 奇 術 )花島世津子
( 漫 談 )桂 文楽
   ー中入りー
「ナースコール」三遊亭白鳥
「三 十 石」三遊亭圓彌
(三味線漫談)太田家元九郎
「ガーコン」 川柳 川柳

 実を言えば寄席に行くのは久しぶり。ここのところ「寄席の相棒」になっているKちゃんが池袋演芸場に行ったことがないというので、案内がてら久々の客席に。
 ロケット団は初めて聴くが、正統派のしゃべくり漫才で大満足。浅い時間で「つ離れ」したばかりの客席を結構沸かせていたので、今後の期待大。文ぶんの「本膳」は言い間違いは無かった。圓太郎は前半大人し目で落げに向かってテンポを上げていく所は流石実力派。この人はもう一つ何かが吹っ切れたら名人になれる。どうかミニ志ん朝で終わらないで欲しい。とし松の曲独楽は十年一日だが、太神楽や曲独楽はそれで何の不満もない。「小志ん・とし松」でやっていた頃を思い出す。
 〆治の初天神は新味無し。南喬は以前あまり好きではなかったが、年をとっていい味が出てきたと感じた。花島世津子も久しぶりに観たが、前半は客席が凍り付く池袋ならではの味わい。後半になって芸人よりいい味出してる客席の爺さんに助けられて大笑い。これも寄席ならでは。中入り前はセコ文楽。博打の話を始めたので、数え切れないほど聞かされた「狸賽」かと思ったら、結局博打のやり方を喋って降りた。ペヤングソース焼きそばのコマーシャルも遙か昔の話。テレビに出ていなくて噺のつまらない文楽は毒でも薬でもない。
 食いつきの白鳥は相変わらずのハイテンション。持っている毒は現在の川柳以上だと思う。若い客には受ける芸風だと思うのだが、扇子で講座を叩きすぎるのでラジオから仕事が来ないのかなあ?。圓彌の三十石は久々に聴くなと思ったら演る方も久々だったらしい。謎掛けの「数の一の字と掛けて何と解く」のあとストップ。「すみません。久し振りなんでど忘れしちゃいました。何でしたっけ?」と客席に尋ねる。凍り付く客席。半可通のお調子者が「二の上にある、じゃない?」と声を掛けると、「それは、いろはのは」と否定したら思い出して、「感心な寺の小坊主と解く」と噺に戻る。お絹さんを嫁に貰いたがった異人の名を、タレスキーからロセンピン・バイアグラに変えていたのもちょいと古い気がする。
 元九郎の津軽三味線はいつも通り。トリの川柳もいつも通り「ガーコン」。セコ文楽が「狸賽」を始めるとウンザリして、川柳が「ガーコン」を始めるとワクワクするのは、私が川柳ファンだからだ。回数で言えばガーコンの方が多く聴いているはずだ。順序はあるけどストーリーは無い噺なので時間があっても無くても安心して笑っていられる。今日は比較的たっぷりやって、最後の「ガーコンガーコン」までやってくれたので大満足。贅沢を言えるならば「あ、敵の歌だ、間違えちゃった」のくすぐりも聴きたかった。

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