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2006年5月13日 (土)

柳家喬太郎独演会

二〇〇六年五月十二日 立川市市民会館小ホール

「  道  灌  」柳家さん作
「純情日記横浜編」柳家喬太郎
(  漫  談  )寒空はだか
「 三味線栗毛 」柳家喬太郎

 地元民なので、この会だけは万難排して参ずる。駅前はきれいになっても立川は田舎。都内でやるときとは明らかに客層が違い、七割程度の入りで高齢者と男性が多い。
 そんなドサキンを前に開口一番のさん作。演者の緊張が乗り移り凍り付く客席。顔立ちが二枚目なので損をしているような。教わった通り丁寧な道灌。
 喬太郎の一席目は「横浜編」。まくらに立川駅のおでんそばから入るのが憎い。そこからコロッケそば、とんかつそばと展開し、黄金餅をやるのかと思うと横浜編に入っているという、喬太郎マジック。お見事。もう名作と言っていい噺だが、関内駅で待ち合わせる(みなとみらい線開業前)とか、電話をかけに行く(携帯電話普及前)という所にかえって味わいを感じてしまう。
 心配された寒空はだかも、横浜編の余韻で結構受けていた。「姉歯ネハ」はちょっと旬を過ぎた感じだが、「落研ハイスクールロックンロール」は何度聞いても面白い名作。お約束の「東京タワーの歌」はいつも歌い出しのキーが定まらなくてハラハラするが、今回は低すぎて、修正をかけた二番(マリンタワー)は高すぎ。この不安定さが魅力なのか。
 最後は「三味線栗毛」。題名は知っていたが、聴くのは初めての演目。とても地味で儲からない(笑いを取りづらい)噺。ところどころに東京タワーの歌やアイフルなどのギャグを加えているのは息抜きの感じがする。地味な噺に無理矢理ギャグを加えるのはあまり好きではないが、この客層では適切だったと思う。

 遠いところをわざわざKちゃんが来てくれたので、行きつけの「ときわ」で一献。普段一人で飲んでいるのに珍しく女連れで行ったので、マスターがこっちをちらちら見ている。「その人誰?」って顔に書いてあるのに、気を遣って尋ねないのは心得てる。でもきっと次に行ったとき色々聞かれるんだろうなあ。Kちゃん遠路遙々ご苦労様でした。

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