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2006年6月17日 (土)

喬太郎 白鳥 二人会

二〇〇六年六月十六日 練馬文化センター

(フリートーク) 喬太郎&白鳥
「 牡丹燈籠 」 柳家喬太郎
     中 入 り
( コ ン ト ) ナギプロパーティー
「 死  神 」 三遊亭白鳥

 緞帳前の前説は今回も脱線しまくりの二十分。本人たちも言っているとおり、微妙に噛み合っていないのが面白い。
 今回は喬太郎が先で「牡丹燈籠」。原作で言うと第一、二、三、五、七、十三回を繋いだ、刀屋の発端から幸助が飯島平左衛門を斬るまで。いわゆる「お札はがし」と並行する部分。去年相模原でお札はがしを聴いているので、頭の並行する物語は両方聴いたことになる。今回は余計なくすぐりは入れずに本寸法の牡丹燈籠。思わず平左衛門に感情移入して聴き入ってしまった。白鳥と役割分担で、笑わせるよりは物語を聴かせる判断は大正解。改めて喬太郎の演技力に感じ入る。帰宅して調べたら「原作に書いてある」と言っていたとおり「斜(はす)に三つに切られて何だか龜井戸の葛餅のやうに成つてしまひました。」と圓朝は口演していたようです。
 ナギプロパーティーのコントは「定年退職する部長の挨拶」「融資希望の若手漫才師と銀行員」「宝石ギャングの打ち合わせ」(勝手に付けた題名)の三本。予備知識無しで観たけど不覚にも大笑い。いやはや居るんですね、知られていないけど面白い舞台芸人。一月のペーソスにしろ、今回のナギプロパーティーにしろ、夢空間プロデュースの落語会は、看板よりゲストの色物がかっさらっていく。
 白鳥は「死神」。お得意の古典落語パロディで、大学病院をリストラされた医者が主人公になっている。白鳥らしい荒唐無稽な割には伏線が張り巡らされている構成。なまじ原作の圓朝作(明治の作にしてはこれも荒唐無稽な噺だ)を知ってるが故に、いつ終わるのかハラハラし通し。でも窒息するほど笑った。
 退屈する瞬間が一切無くチケット代が安く感じる二時間でした。

 今回は久々にK姐御と同行。終演後練馬駅前の居酒屋で「愉快なことと不愉快なこと」および「Tクンのダメ加減」について語る。帰宅してから気づいたけど、大江戸線で帰ると早かったんだなあ・・・。

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