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2006年6月10日 (土)

池波正太郎「鬼平犯科帳」(文春文庫)

 丸一年かかって全二十四巻を読み終わった。語り尽くされているだろうから、今更「鬼平」の魅力を語るつもりはないし、歴史の勉強になるとか料理の蘊蓄になると言う気もない。ただ、すらすらと読めてしまう滅法面白い娯楽小説だと思う。横溝正史の「人形佐七」みたいな謎解き要素の強さはないので、考え直さずにずんずん読めるのも有り難い。
 テレビドラマ化したものは観たことがないが、読み切り短編が多いので、映像化はし易いのではないだろうか。機会があれば観てみたい。
 古今亭志ん朝が朗読した「本所・桜屋敷」「埋蔵金千両」「盗法秘伝」「血闘」の珠玉の四編はかけがえがない。これぞ語りの素晴らしさだ。映像作家が束になっても、この語りに導かれる想像の世界を越えることは出来ないだろう。

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