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2006年10月 7日 (土)

阿房船2

 かめりあ丸 東海汽船 貨客船三七五一トン
 一九八六年内海造船瀬戸田工場で建造

 十月五日、いつもより仕事が早く終わる。翌六日は振替休。台風十六号接近中と聞いて、家に帰ると急いでリュックに荷物を詰めて出かける。
 東京港竹芝船客ターミナルに着くと、大島以外全島条件付きとなっている。利島までの乗船券を購入。「本日利島は条件付き出帆となりますが」という窓口嬢に「承知してます」と答える。利島に所用ががあるわけでなく船に乗りたいだけだから、出帆してくれればいいのだ。
 かめりあ丸は定刻二十二時に竹芝桟橋を離れ、東京港外で〇時まで停泊。そして大島へ向かう。目が覚めると五時。いい感じに揺れている。波が高いようだ。五時半に大島到着の船内放送が入り、「本日、利島につきましては欠航とさせていただきます」と告げる。しめた、これで今日の夕方までずっと船に乗れて、料金は全て払い戻しである。
 岡田港内も波は高く港内に入れないため、かめりあ丸は桟橋の突端に着岸。タラップの先には観光バスが下船客を拾いに来ている。桟橋を歩かせるのは危険だからであろう。着岸中に新島、式根島の欠航が決まる。6時20分の定刻を過ぎても一向に出帆の気配はなく、遂に神津島欠航の放送が入る。つまり大島から先へは行かないということだ。
 東京行き繰り上げ出帆と早合点した私は、明るい内に東京に帰れると喜んだのだが、これはぬか喜び。14時50分定刻出帆であることが判明。あと八時間待たねばならないらしい。
 仕方ないので朝からビールを飲んで海を眺めている。繋留位置を港内に移動するため舫綱を掛け替えながら、船をゆっくり後退させる。暴風雨の中桟橋で舫綱を引いている作業員の姿は男の中の男だ。
 15時、約十分遅れで出帆。桟橋を離れた途端大揺れである。甲板は閉鎖されているが、Bデッキ後部の扉から後部甲板に出る。小山のような波が押し寄せている。朝から飲んでる上の大揺れですっかりいい気分になり、更に缶ビールを飲みながら甲板でびしょ濡れになって、誰もいないをいいことに歌を唄っている。どう見ても異常者である。
 そんな楽しみも二時間ほど。東京湾内にはいると相変わらず波は高いのだが、船の揺れがピタリと止まる。海面を観察すると、さっきまでは不規則な三角波がたっていたが、今は規則的な波になっている。ある船員さんから「太平洋では波頭と波頭の間隔は約三十メートル。だから波を三つ跨げる全長一〇〇メートルを超える船は縦揺れしづらい」と聞いたが、まったくその通りのようだ。さらにこのかめりあ丸には横揺れ防止の船腹の羽(フィンスタビライザ)が装備されているので。高い波が嘘のように静かに進んでいる。
 向かい風で遅れ、20時東京着。窓口で払い戻しを受ける。これだけ船を堪能して、飲食費以外タダというのはまことに申し訳ない気がする。次はちゃんと計画を立てて、式根島一泊で下田に渡るか、往復どちらかはジェットフォイルに乗る行程にしようと思う。

061005

 (追記)
 その後の報道によれば、同じ日の太平洋上では鹿島灘でパナマ船籍の貨物船が座礁したり、女川沖でサンマ漁船が座礁したりと、大きな海難事故が発生し、犠牲者も相当出たようである。面白がっていたことにちょっと反省しております。

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