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2007年4月18日 (水)

「アイランドタイムズ」(二〇〇七フジテレビジョン)

 ポニーキャニオンDVD

 ネットで偶然見つけた映画。青ヶ島が舞台になっているというだけの動機で購入。
 絶海の小さな島で、新聞記者を目指しながら地域新聞を発行している中学三年生の少年と、東京から来た訳ありげな転校生の少女との物語。真反対の方向で挫折感を感じた二人が、衝突しながらも共感していく。僻地の孤島というロケーションを上手に活かし、ありきたりな筋書きを面白くしている。

 二十年前に訪れた青ヶ島。定期ヘリコプターは運航しておらず、村営連絡船の欠航続きで、二三日のつもりが一週間ほどの滞在になった。映画の中に映る青ヶ島は、三宝港の桟橋は随分延び、小中学校は立派な建物になり、都道には信号機も設置されている。しかし、コンクリート舗装の道や噴火口の景色は往時のまま。十一屋酒店も変わっていない。そして何より、お世話になった民宿あじさい荘の特徴ある外壁が映ったのは嬉しかった。
 思い出を語り出せばきりがないが、お世話になった民宿あじさい荘のオバサンに会いたいと思いつつ果たせずにいる。台風のため予想以上に滞在期間が延び、宿賃を払えなくなってしまった私たち高校生三人組に、「雨戸を開けろ」「庭の草をむしれ」と指示し、「働かせたんだから客じゃない」と言って最初の数日分しか宿賃を受け取ってくれなかった。あの体験が、今の私の旅好き、島好き、船好きの大きな動機になっているように思う。

 映画は主演の柳沢太介が、大人びた同級生の女子に翻弄されるという、童貞臭溢れる演技で好演。期待した船の映像はさるびあ丸の船室内と、黒潮丸がちょっと映るだけ。せっかくだから還住丸も映して欲しかった。

 なお、私の青ヶ島訪問は一九八七年。初代村営船「あおがしま丸」最終航海で青ヶ島に渡り、二代目村営船「あおがしま」の初航海で戻るという日程でした。

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