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2008年2月28日 (木)

さよなら二〇一系

 「省エネ」と書かれたヘッドマークをつけた、国鉄の新型電車二〇一系が颯爽とデビューしたのが一九七九年。私が小学三年生の時だ。当時の中央快速線は全て一〇三系電車で運用されており、我らチビッコ鉄ちゃん達は高運転台タイプを「タカマド(高窓)」、従来車を「ヒクマド(低窓)」と呼び分けていたが、正面の上半分が黒い二〇一系は精悍な顔立ちのように感じた。
 それから二十七年後の二〇〇六年末、新型電車E二三三系がデビューし、中央快速線の電車はどんどん置き換えられている。
 私は浪人から現在までの約二〇年間、ほぼ毎日中央線の電車を利用している。単純に計算して一万回以上はこの二〇一系に乗っているだろう。女性専用車が導入されるまでは行きも帰りも一号車(一番東京寄り)に乗っていた。好きだったのはトップナンバーのクハ二〇一-一と、理由はないがクハ二〇一-二〇一の二台。この編成が来ると、内心「やった!」と思っていた。
 首都圏の通勤電車が次々とステンレス製になっていく中で、中央快速線(と青梅線)のオレンジ色だけが全面塗装の鋼製車体だったのだが、遂に銀色にオレンジ帯の電車になってしまった。
 毎日使う身としては、新型のE二三三系は外見は別にして乗り心地は大変良い。座席の幅が拡がったので、オッサンが七人並んでも窮屈じゃないし、液晶画面で暇もつぶせる。半自動ドアの採用も、高尾、青梅以遠の運用には必要だった。
 古いものが消えていくことに郷愁は感じるが、鉄道は安全・正確を追求するのだから仕方がない。中央線もここ何年かで、車輌の更新、高架化工事の進捗、新宿駅の改良(ホーム入れ替え)など、目まぐるしく近代化が進んでいる。利用者にとっては有り難いことだ。

 ただし、有り難くない変化もある。立川駅で何やらホームの延長工事をしていると思ったら、三月のダイヤ改正から「スーパーあずさ」の一部が立川に停車するというのだ。以前は「あずさ」が立川停車と通過が混在していて厄介だったが、何年か前から「あずさ・かいじ」は停車、「スーパーあずさ」は通過に揃って判りやすくなったのに。いっそのこと特急用のE二五七系を増備して、「スーパーあずさ」は廃止してしまう方がサービス向上ではないかと思う。とは言うものの、きっと立川に停車する「スーパーあずさ」には喜んで乗るだろうと思う。

 話を戻すが、滅多に見られなくなった二〇一系が、いつ頃全廃されるのかは知らない(鉄道雑誌とかあまり読まないので)。長年馴染んだオレンジ色の電車がなくなる前に、一度も考えたことがなかった「中央線の二〇一系に乗りに行く」のをやってみようかと思う。東京から高尾まで乗り通して、高尾で蕎麦でも食べて帰ってこようか。

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