うずしおクルーズ
咸臨丸(ジョイポート南淡路、三八四総噸、全長四九、四メートル)
和歌山港のフェリー乗り場で一晩を明かし、5時50分の徳島行きに乗船。徳島からは鳴門海峡へ向かう。
鳴門側から海峡に向かうと、まごまごしている内に有料駐車場に追い込まれる構造になっている。私はこの手の観光地が大嫌いなので、駐車場のオッサン達の目の前でクルマを切り返して逃亡。大鳴門橋を渡って淡路島側から海峡へ向かう。こちらは何と道の駅になっており、駐車場も展望台も無料だ。ただし、鳴門側は渦潮の真上に展望台があるようなので、眺めとしては向こうが上である。
それから福良港へ向かい、渦潮見物の遊覧船に乗る。渦潮遊覧船は三社(徳島側に二社、淡路側に一社)あり、ネットの評判などでは小型船のうずしお汽船(徳島)や、水中を観察できる鳴門観光汽船(徳島)が良さそうだが、私は迷わずジョイポート南淡路を選んだ。理由は単純。アプローチが長く乗船時間が長いからである。この日(十一月二十二日)の渦潮が最大になる時刻は12時30分前後ということだったので、12時10分発の咸臨丸に乗船。勝海舟の咸臨丸を復元したという触れ込みだが、単に普通の遊覧船に飾りのマストを三本立てた船だ。全く子供騙しの姿だが、脳内で余計な飾りを外して見ると、小型の可愛らしい客船である。青年教師に引率された小学校低学年らしき集団が乗り合わせて船内は賑やかだ。中には乳母車(昔風の風呂桶みたいなもの)に毛並みのいい高価そうな猫二匹を乗せた馬鹿夫婦なども乗っており、渦潮より猫に興味のある小学生などもいて大騒ぎである。
大潮の日に最良の時刻を選んで行っただけのことはあり、渦潮の迫力は満点であった。巨大な川のような流れに大きな渦が発生している自然の迫力も物凄いが、三社四隻の観光船と個人のクルーザーなどが入り乱れている様は、船好きにとってはジェットコースターよりずっとハラハラドキドキさせられる。私が乗った咸臨丸はその中でも最大の船体なので、渦潮の神秘と操船の妙を堪能する事が出来た。
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