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2010年11月 1日 (月)

アクアマリンふくしま

 ふくしま海洋科学館

 土曜日にアジ釣りに行く予定で釣り船を予約していたのだが、台風の接近で出船せず。代わりに以前から行きたいと思っていた福島県にある水族館「アクアマリンふくしま」(正式名称、ふくしま海洋科学館)へ行ってきた。
 以前から行きたいと思っていた理由は一点のみ、「泳いでいるサンマが見られる」ということである。世界中でもサンマの飼育に成功しているのはここだけである。イワシやアジのように、食材としても生きている姿もお馴染みの魚と違い、あんなにしょっちゅう食べているのに泳いでいる姿は見たことがない。サンマ好きとしては是が非でも見ておきたいと思っていたのだ。
 丁度去年の今頃は、世界で初めてバショウカジキの飼育が行われており、もう一つ見たい物があったのだが、残念ながら二ヶ月半ほどで死んでしまったので、そのままになっていたのだった。

 実際に行ってみた印象は、建物は派手だが展示内容は地味。ただし、良い意味の地味である。イルカショーなどのエンターテインメント要素は全くなく、様々な魚類などを出来る限り自然な状態で見せようという姿勢が感じられる。そして、従来の水族館では考えられないようなコーナーがある。
 一つは「釣り堀」。園内の釣り堀で釣り上げた魚を、その場で調理して食べられるコーナーだ。マス釣り場のようだが、これが水族館にあるということは意義がある。人間と魚との最も強い結びつきである、捕獲して食べるという関係を、実際に体験できる。水族館を見ていると、魚を鑑賞する物として認識してしまいがちだ。しかし、捕らえて食すという最も原始的な体験が、その綺麗事の認識を打ち破る。
 もう一つは子供向け体験コーナー「アクアマリンえっぐ」の一角にある「生と死」のコーナー。発眼卵が動いているのを見せたりするコーナーの中で、アクリルケースに入ってはいるが、ウシガエルの死骸が微生物に分解されつつある様子が展示されている。これには大変感心した。私のような、森で遊んだ昭和の子供たちは、小動物の死骸が朽ち果てていく姿などはよく見ていた。そして学校の授業で、生命の連鎖のことも学んだ。しかし、改めてこのように見せられると、途切れることのない生命の連鎖について改めて認識し直した。

 サーカスのような楽しい水族館もいいが、このように真面目な水族館があることは、大変素晴らしいことだと思う。理想を掲げるのは簡単だが、実践していく上では相当な困難があるだろう。釣った魚を料理するのを「残酷だ」という親や、ウシガエルの死骸を「気持ち悪い」と子供に見せまいとする親ばかりではないかという意見もあっただろう。残酷といわれても、気持ち悪いと言われても、それが現実なんだから見て欲しいという、水族館のスタッフたちの思いがひしひしと伝わってきた。
 幼児連れではトドとセイウチのコーナーくらいしか喜ばれないかも知れないが、小学校高学年以上の子供たちが、楽しさの中で大切なことを真面目に学ぶことが出来る素晴らしい施設である。世界でここでしか見られない泳ぐサンマとメヒカリの姿。世界で二例目の泳ぐシーラカンスの映像も貴重だ。目玉になりそうだったバショウカジキが死んでしまったのは残念だが、是非この路線を継続して硬派な水族館であり続けて欲しい。間違いなく私にとっては今までで最も満足度の高い水族館であった。

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コメント

おひさしぶり。
毎度面白いネタを楽しみにしています.

ところで、ウチの職場では、とある場所から毎年サケの発眼卵を手に入れて、お客様に配って育ててもらっています。
うまく育てている方もいれば、全滅させてしまう方もいますが、3月ぐらいに育てた稚魚を集めて、仕入れ先の川に放流しています.

今年も間もなく仕入れの時期になりました.12月頃に来る予定ですが、育ててみる?

投稿: メタ坊 | 2010年11月 1日 (月) 23時30分

 へえ、サケの発眼卵ですか。面白そうですねえ。御社の普及啓発活動も、なかなか凝ったことをやりますね。
 とっても興味はありますが、現在我が家の水槽は姪っ子がすくってきた金魚が野放図に育っています。子猫も二匹いるので、ちょっと難しいかな。もう、興味だけで無責任に挑戦は出来ませんからね。

投稿: へべれけ | 2010年11月 3日 (水) 07時13分

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