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2010年11月26日 (金)

世界平和大観音

 脱力スポット好きの私が淡路島まで行ったのだから、ここに行かないわけにはいかない。というわけで、渦潮観光に続いては国道二十八号線沿いにある世界平和大観音を訪問。日本中の巨大仏マニアの聖地である。
 この観音像は地元出身の実業家、奥内豊吉氏により一九八二年に建立され、五階建ての台座部分と合わせると地上百メートル。高さだけで言えば一二〇メートルの牛久大仏には及ばないものの、仙台大観音と並んで日本二位タイというものだ。多くの人が探訪レポートをウェブ上に掲載しているが、内部には大観音の展望台やご本尊の他に色々な施設があるらしい。順不同で挙げると、四国八十八ヶ所霊場めぐりの「お砂踏み」(各霊場の砂を集めて、それを踏むことによりお参りしたのと同様の功徳があるとするもの)、鎧兜や馬具が並ぶ民俗博物館、近代陶芸美術館、時計博物館、近代絵画美術館、交通博物館の他に宿泊施設を目指していたらしく宿泊部屋、食堂、土産物売り場、ラドン温泉浴場、宴会場などがあり、野外には中身はがらんどうの十重の塔、自由の女神像、D五一型蒸気機関車、寄進者が無くてただの広場に近い五百羅漢像などがあるらしい。早い話が全国各地に点在する、金持ちが道楽で作った「オレちゃん博物館」の大規模なものである。鎧、陶器、時計、絵画、自動車など、オーナーが趣味で集めた品々を倉庫にしまっておくのも勿体ないから展示しているという例のやつである。
 一九八八年にオーナーの奥内氏は亡くなったが奥様が遺志を引き継いで営業していた。しかしその奥様も二〇〇六年に逝去し、施設は閉鎖される。以降債権者が会社更生法を申請するなど混乱し、二〇〇九年五月には世界平和大観音像検討委員会が設置されて、倒壊の危険もあるこの巨大仏の今後について検討しているという。
 もう五年早く来ていれば内部のオレちゃん博物館も観られたのだろうが、時既に遅し。でも考えようによっては取り壊されていないだけ有難いと思わなくてはいけない。生憎の雨模様だし、敷地内に勝手に入り込むのもまずいので、道路から偉容を眺めることしかできない。正面の国道側からは近すぎて、見上げる形になるので、迫力はあるが全体の容姿が判りにくい。背後に回った方が全体が見渡せる。正面からだと不細工な仏像という感じだが、背後に回ると基本構造は四角い柱で、その周りに肉付けをした造形であることが判る。だから仏像らしい曲線が少なく神々しさが出ないのだ。しかし、私は美術品や信仰対象としての仏像には毛ほども興味がないので、かえってこの安っぽい造形が美しく感じられる。むち打ちのギプスと揶揄される襟巻き部分の動物園の檻のような展望台も、美感を損なうどころかオーナーのサービス精神が感じられる。
 土台のビルも仏像本体も、潮風をもろに受ける立地条件のせいか、築三十年弱にしては老朽化が進んでいるようだ。倒壊の危険も囁かれるので予断は許さない。巨大仏、及び脱力スポット好きならば今の内に訪れておきたい場所である。

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