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2011年11月12日 (土)

NHK交響楽団第一七一二回定期公演

NHK交響楽団第一七一二回定期公演

マーラー/交響曲第一〇番より「アダージョ」
マーラー/交響曲「大地の歌」

クラウディア・マーンケ(アルト)
ジョン・トレレーベン(テノール)
管絃楽/NHK交響楽団
指揮/ワシーリ・シナイスキー

二〇一一年十一月十一日 NHKホール

 マーラーの没後百年の年の後半に、N響が、四、八、十番と大地の歌を立て続けに取り上げるので、十数年ぶりにN響の定期公演に足を運んだ。先ずは十一月のC定期初日。
 指揮者が当初予定の人から変更になった。その人が誰だか、既に定かでない。千五百円で十番と大地の歌が聴けるというだけの理由でチケットを買ったので、演奏者について何も知識がないのだ。
 前半の十番はほぼ予想通り。代役の知らない指揮者にN響の反応が悪い上に、低音が薄い曲(完成していないという見方も出来るだろう)なので、三階後方の人民席では音圧が低く迫ってこない。NHKホールはクラヲタが言うほど悪いホールではないと思っている(響きのバランスなど)が、音圧の無さは仕方ない。
 大地の歌は交響曲と言うよりは管絃楽伴奏の歌曲なので、歌手の実力で出来不出来が決まる。第一楽章が始まった途端にがっかりした。テノールは楽譜から一時も目を離さないが、どうにか唱えましたという感じ。体格のわりに声量不足で、オケにかき消されて聞こえない部分が多い。取り敢えず間違わずに唱いましたという出来で、なんでこんな下手な歌手を呼んだのかと首を傾げたくなる。諦めに似た気持ちで第二楽章を聴き始めて驚いた。アルトの歌手がものすごく上手いのだ。アルトだがくぐもらず通る声質で声量も十分。時にハッとするような魅力的な表情付けをする。思わず聞き惚れてしまい、いつの間にか大地の歌の世界へ引き込まれてしまう。そして第三楽章では再びガッカリし、第四楽章では再び聞き惚れる。途中から期待した通り、終楽章の「告別」は絶品。マーンケの絶唱に応えるように、N響も充実した音になり、まさか第一楽章では予想出来なかった大名演。盛大なブラヴォーの声が掛かるのも納得の演奏であった。
 私にとって大地の歌のスタンダードは、生まれて初めて買ったCDで聴いたバーンスタイン/イスラエル・フィル(ソニー、第九番、十番との三枚組CD)で、ここでのクリスタ・ルートヴィッヒのアルトを越える歌唱は無いと思っていた(ヴァルター盤のフェリアーはくぐもった声が好きになれない)。しかし、今回初めてルートヴィッヒに並ぶか、それを凌ぐ歌手に出会えた気がする。年明けにBSで放送するらしいので、聴き直すのが今から楽しみである。

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