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2011年11月 6日 (日)

イヨボヤ会館

イヨボヤ会館(村上市内水面漁業資料館)

 渓流釣りと鮎釣りで、新潟県の三面川に何度も通っている。三面川は古くから鮭漁で有名な川であり、日本初の鮭の博物館であるイヨボヤ会館(イヨボヤは当地での鮭の呼称)がある。以前から興味はあったのだが、釣りのついでにはなかなか立ち寄れずにいた。いつか行きたいと常々思っていたが、今回思い切って、紅葉と鮭の遡上を見るために村上までやってきた。
 館内には色々な展示があり、卵の孵化コーナーや、淡水魚の展示などがある。アユカケの実物を初めて見る事が出来た。しかし、この博物館の白眉は何と言っても鮭の産卵シーンだ。館内の地下に面した人工河川と、地下の廊下を進んだ先にある種川(三面川を分流させて作った鮭の産卵場)をガラス越しに観察出来る迫力は圧巻である。
 先ず人工河川を観察する。鮭の産卵床になるような砂利の川底を造成してあり、沢山の鮭が群れている。サケ科の魚類に共通の、砂利底を掘ってた産卵床が幾つも見られ、時々鮭が産卵行動をしている。テレビで観た産卵シーンと同じだが、目の前で行われていることに感動を覚える。
 続いて種川の観察窓を覗く。こちらは自然河川の分流なので、そう簡単に鮭は見られない。ガラス越しには沢山のハヤ(ウグイ)が泳いでいるばかりだ。しかし、幾つもある観察窓を順に覗いていくと、鮭の居る窓を発見。メス鮭をオス鮭が盛んに追い回しているので根気よく眺めていると、遂に産卵の瞬間を見る事が出来た。しかし、その瞬間、周りを泳いでいたハヤ達が一斉に卵を狙って飛びかかるのである。オスが放精するのとハヤが飛びかかるのとほぼ同時だ。自然というのは厳しいものだと実感した。
 三面川では江戸時代から鮭を育てる漁業をしてきたという。資源の少ない日本で、動物資源を取り尽くすのは簡単だ。だのに、江戸時代から資源の保護に着目した先人の知恵に感動を覚えた。展示によると鮭の回帰率(産んだ卵に対し、成長して産卵に戻ってくる率)は千分の三だという。二匹の鮭から三匹の鮭が育てば拡大傾向だが、回帰した鮭が全て産卵出来るわけでもない。自然界では、消滅もせず爆発的に増えるでもないバランスが知らぬうちに均衡しているようだ。
 見学を終え、道路を渡って種川を地上から観察する。除き窓から遠い浅瀬に、産卵を終えた鮭の死骸が浮かんでいる。勝手な感傷だが、その姿から生命を繋いだ達成感を感じる。
 念願の鮭の産卵を見る事が出来たが、今度は鮎の遡上を見て見たい気がする。六月頃に来れば見られるのだろうが、その頃は渓流釣りのシーズンなので、そんな悠長な時間を捻出出来るかが問題だ。

Photo_3
人工河川での産卵の様子

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