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2012年2月 5日 (日)

東京フィル響きの森クラシック・シリーズVol.39

東京フィル響きの森クラシック・シリーズVol.39

二〇一二年二月四日(土)十五時 文京シビックホール

山本直純/「マグマ大使」のテーマ
山本直純/NHK大河ドラマ「武田信玄」テーマ曲
メンデルスゾーン(山本直純変曲)/ヴァイオリン協奏曲「迷混」より
ベートーヴェン(山本直純変曲)/交響曲第四十五番「宿命」より
杉ちゃん&鉄平with東京フィル スペシャル・ステージ
ベートーヴェン/交響曲第五番ハ短調「運命」

杉ちゃん&鉄平(ピアノ/杉浦哲郎、ヴァイオリン/岡田鉄平)
管絃楽/東京フィルハーモニー交響楽団
指揮/広上淳一

 山本直純が亡くなって暫くしてから、「山本直純フォーエヴァー」というCDが発売された。日本フィルが一九六七年から七一年まで毎年開催した「ウィット・コンサート」からの録音で、山本直純の天才ぶりに圧倒されるばかりのCDである。このCDに収録されているベートーヴェンの交響曲をごちゃ混ぜにした「宿命」と、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を好き放題に変曲した「迷混」が生で聴けるというので、勇んで足を運んだ。実は今から七八年前に、同じ広上/東フィルが東京オペラシティで演奏したのだが、拠ん所ない用件があって聴くことが出来なかった。その時以来の念願が叶ったのである。
 会場に入ってプログラム冊子を開いて愕然とする「メンデルスゾーン(山本直純変曲)/ヴァイオリン協奏曲「迷混」より(約三分)」「ベートーヴェン(山本直純変曲)/交響曲第四十五番「宿命」より(約八分)」と記されている。どちらも四十分近い曲なのに、たった数分のつまみ食いしか演奏しないようだ。チラシをちゃんと読まなかったのが悪いのだが、いささか拍子抜けである。
 「マグマ大使」「武田信玄」はどうと言うことはない。生のオーケストラで聴けるのは珍しいが、何れも掌編である。ゲスト&司会の杉ちゃん&鉄平が登場して、「迷混」の第三楽章。メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とその他が交互に現れる。ここだけ聴いても十分面白いが、第一楽章から聴けばもっと面白かったと思う。続いてオーケストラだけで「宿命」。こちらも抜粋をつなぎ合わせた編曲で、ディキシーになる部分などは含まれていない。おもしろ所というより、演奏しやすい所をつまみ食いした感じで、ちょっと不満が残った。
 杉ちゃん&鉄平のスペシャルステージは、お馴染みのネタが楽しい。「アイネ・クライネ三分クッキング」「扁桃腺上のアリア」「美しく青きドナウ川の殺人事件」など、聴いた事があるネタだが、生で聴くのは格別だし、パトライトを仕込んだ演出も大受けだった。最後に東フィルと競演した、和風ハンガリー舞曲第五番は、ヴァイオリンが音量不足でよく聞こえなかったのが残念だが、視覚で追えるので十分楽しむことが出来た。もっとも、全体的に岡田鉄平のヴァイオリンは音量がないので、大ホールで生音だと、ドッと受けた時の聴衆の声や拍手でかき消されてしまうので、やはりライヴハウス規模が丁度いいように感じた。
 休憩後はベートーヴェンの五番。前半が盛り沢山すぎたので、今ひとつ存在感に欠ける。この曲だけを見れば、そこそこにいい演奏だったと思う。しかし、広上も前半の面白プログラムに力を入れたようで、そつなく纏めた感じの指揮だ。前半が面白プログラムなのだから、後半の第五も真面目な演奏会では出来ないような、思い切った演奏をしてくれたらよかったのにと思う。今どき流行らないヴァーグナー風の楽譜改変や、フルトヴェングラーばりの緩急などで遊んでくれたら面白かったのに。広上ならそれが出来ると思うのだが。

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