« 高岡大仏 | トップページ | 加賀大観音 »

2012年9月14日 (金)

ハニベ巌窟院

 北陸地方は珍スポットが多く、計画段階でどこに行こうか迷うが、絶対に外せないのがハニベ巌窟院だろう。案内看板を頼りに辿り着くと、まずは巨大な大仏の頭部がお出迎え。何でもこの大仏は肩の所まで製作した所で資金難のため製作中断。完成の暁には裏山の上に鎮座する予定らしい。既にここで突っ込み所満載だ。大仏を建造する場合、最終的に鎮座する場所で、足元から作り始めるのが普通ではないのか。頭の方から作って、完成したら移動というのは随分非効率に感じる。
 それはさておき、八百円の入場料、もとい拝観料を払って中に入る。まず大仏の台座部分に入ると、よくある水子供養の地蔵を奉納する施設になっており、大仏の胎内には入れない。大仏の脇には大仏の縮小版が鎮座しており、これが完成予想の模型らしく、顔から肩までは全く相似形だ。最初大仏の異様に広い肩幅を見て、製作途中というのは眉唾に感じたが、全体で見ると異様にがっちりした大仏である。
 大仏の周りには色々な像やオブジェが立っていて、説明書きのあるもの無いものまちまちだが、何の統一感もない。この統一感の無さが、珍スポットには重要な要素だ。雨が降り出したので説明書きは飛ばして先に進む。鯉の泳ぐ池を越えて坂道を上ると、水子地蔵堂がある。ここも中は水子地蔵がびっしり並んでいるのだが、玩具やぬいぐるみなども奉納されていて心が重くなる。日本中の寺で水子供養が盛んだが、そんなに需要があるのだろうか。奉納された地蔵に普通に名前が書いてあったりするのが生々しい。
 更に山道を登るといよいよ巌窟院である。種を明かせば、元々石切場(採石場)だった坑道に様々な仏像などを展示した施設である。最初は阿弥陀堂という小さな洞窟。ここには幾つかの仏像があるが、素焼きの皿に願い事を書いて聖函に投げ入れるアトラクションが面白い。落語の愛宕山そのままだが、二枚百円の皿を買って投げてみる。一枚目には「釣り名人になりたい」と書いて投げてみた。普段物を投擲するという運動をしていないせいか、皿は明後日の方向へ飛んでいく。二枚目も同じ事を書いては芸がないので「モテモテになりたい」と書こうかと思ったが、今更もてても仕方がないので「楽に暮らしたい」と書いて投げる。これも明後日の方向へ。私の将来は「釣りは上達せず生活苦」で決まりらしい。
 続いて建物があり、仏像などのどうでもいい物が陳列されている。そこを抜けるといよいよ巌窟院本洞に進む。洞窟に入るとまず仏像が並び、釈迦一代記というコーナーがある。釈迦の一生を彫刻で描いているのだが、真ん中誕生場面「天上天下唯我独尊」だけ異様に印相が悪くて宗教的でない。続いて「胸像製作承ります」と書かれ、見本の胸像が並ぶコーナーがある。納期三ヶ月だそうだ。その次はインド彫刻のコーナーだが、秘宝館などではお馴染みのエロい彫刻が並んでいる。そしてその先がいよいよ地獄のコーナー。これ以降の展示物はクラクラするような素晴らしい物ばかりだ。生憎雨天で洞内は湿度百パーセント。写真を撮ったのだがフラッシュで霞が光ってしまい、まともに撮影できなかった。ネット上に様々なレポートがあるので、暇な方は検索して見て欲しい。
 洞窟を抜けると「山道ですから雨の日や足に自信のない方は元の道へ戻って下さい。」と注意書きのある山上自然公園・日本一大涅槃像へ向かう。小雨模様の赤土の山道は本当によく滑り危険である。おっかなびっくり歩いて辿り着いた山頂には確かに涅槃像があった。しかし、日本一を標榜するのは如何なものか。大きさも大したことないし、姿勢がおかしいのだ。一般的な涅槃像は釈迦が横たわり、右手で頬杖をついて頭を持ち上げている姿勢の物が多い。この涅槃像は、右手は顔に添えているが、それ以外の全身が気をつけの姿勢なのだ。つまり直立の姿勢のまま横に寝かせてあり、足が地面から浮いているのだ。随分横着して作ったものである。この涅槃像の広場が大仏の最終的な設置場所らしく、今はがらんとした広場になっている。いつかこの山の上に大仏が完成し、衆生を見下ろす日が来ることを祈りたい。
 帰りに売店に立ち寄ると、素晴らしいオリジナルグッズが販売されている。Tシャツ、マグカップ、竹製団扇、絵葉書、提灯、ステッカーなどなど。今どきこれだけ揃っているのは珍しい。恐らく在庫が無くなっても再生産するかは微妙なので、ある内に買っておきたい。私は悩んだ末に、絵葉書セットとマグカップを購入した。

Photo
ハニベ巌窟院 建造半ばの大仏(左)と日本一大涅槃像(右)

|

« 高岡大仏 | トップページ | 加賀大観音 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 高岡大仏 | トップページ | 加賀大観音 »