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2012年9月16日 (日)

越前大仏

 北陸珍スポット巡りの最後は福井県勝山市の越前大仏へ向かう。今回巡る珍スポットのうち、石仏と石像、加賀大観音とこの越前大仏は所謂オヤジ系スポット。財を成したオヤジが思いつきで作った施設である。そして、図らずも巡る順番に規模が大きくなっている。

・おおさわの石仏の森&ふれあい石像の里
病院、老人ホーム経営者が一九八九年開設、総工費六億円

・ユートピア加賀の郷
不動産会社経営者が一九八七年開設、総工費二八〇億円

・越前大仏
タクシー会社経営者が一九八七年開設、総工費三八〇億円

 いずれもバブル期に社長の道楽で作った施設だが、道楽に三八〇億円とは佳き時代だったのだろう。
 さて、この越前大仏は国道の標識にも案内が出ており辿り着きやすい。数台しか駐まっていない広大な駐車場にクルマを置き、計画的に作られて、現在は一軒も営業していない門前の土産物屋街を抜けて五百円の拝観券を買う。開設当初の拝観料は三千円だったそうなので、随分値下げしたようだ。
 まず巨大な南大門。一対の巨大な仁王像と、巨大な狛犬が入口を固めている。続いて中門、その奥が大仏殿である金堂。金堂の大きさは間口五十八メートル、奥行き四十八メートル、高さ五十二メートル。当然意識して造ったのであろう奈良東大寺の大仏殿よりも若干大きい。そして中の大仏は高さ十七メートル。奈良の大仏の十四、七メートルより二メートル強大きく、座像としては日本最大(諸説あり)の仏像である。
 勿論、奈良の大仏は修学旅行で参拝しており、印象は残っている。しかし、越前大仏の方が遙かに印象が強い。その理由はズバリ静寂! 奈良の大仏は大勢の観光客の中、同級生達とワイワイ言いながら見物した。しかし、越前大仏は他に数名の観光客がいるだけ。大仏の正面に階段で登る観仏台(?)があり、そこに一人で立つと大仏と一対一で対峙する気分になる。大仏殿の中には常時音楽っぽいお経(声明というのか?)が流れており、何だか急に非現実の世界に連れ去られたような気分になる。宗教心ゼロでお馴染みの私が迂闊にもそんな有難い気持ちになったのだから、信心心のある人なら跪いて涙するのではないか。外国人などを連れて行って脅かすには、断然奈良の大仏より越前大仏だ。それも出来れば閑散期の平日がいいだろう。九月の土曜日の午後で参拝客は常時二三組なのだから、冬の平日なら貸し切りが狙えるだろう。五百円でこの大仏を独り占めできるなんて素晴らしい。小林悠(TBSアナウンサー)の至言「仏像は見る物でなく浴びる物」を最大に実現できる空間である。
 暫くの間大仏を浴びまくってから五重塔に向かおうとすると、途中に九龍壁なるものがある。これは中国北京北海公園の九龍壁を複製した物とのこと。陶板の造形で作った高さ七メートル、幅二十五メートルの壁(両面)であり、これも立派な物だ。
 続いて五重塔へ向かう。ここの五重塔は高さ七十五メートル。東寺の五重塔五十四、八メートルを遙かに凌ぐ世界一の五重塔だ。由緒正しい五重塔は見上げるだけしか出来ないが、こちらは鉄筋コンクリート製なので、勿論最上階まで登ることが出来る。しかも四階まではエレベーターで上がれる。この五階からは先ほどの大仏殿は勿論、寺の全景、そして勝山市を一望することが出来る。馬鹿と煙はと言われようが、やはり高い所はいい。大仏殿の向こうに天守閣のある立派な城が見える。後で調べた所、勝山城博物館というもので、戦国時代にあった勝山城とは何の関係もない博物館で、越前大仏と同じくタクシー会社社長が作った物だという。そして、越前大仏、勝山城博物館と、製糸工場の産業遺産である、ゆめおーれ勝山との三館共通入場券は通常千二百円(五百円+五百円+二百円)の所を九百円で回れる。大変お得である。
 残念ながら券売所の向かいにある土産物コーナーには目を引く物はない。絵葉書のセットが二種類あり、方や百円、方や四百円と随分差があったが、中身はさほど変わらない。百円の絵葉書セットを購入した。

Photo
五重塔から大仏殿を望む。向こうに勝山城博物館も見える。

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