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2012年12月 6日 (木)

暗峠

 フェリーで大阪に上陸したので、せっかくだから国道三〇八号線の暗峠(くらがりとうげ)を通ってみることにした。
 私は世間に殆ど認知されていない急坂マニアという趣向を持っているので、暗峠といえば憧れの地と言って差し支えない。元来は大阪と奈良を結ぶ最短ルートで古くから賑わった道であり、峠付近は江戸時代に石畳で舗装された。この古くから賑わったのが仇となり、近代になってもルートの付け替え等が出来ず、登山道をそのまま舗装した形で現在に至っている。特に大阪側は勾配がきつく、地形図で見た感じでは約二、三キロで標高差が四百メートルあるので、平均勾配が十七、三パーセントということになる。しかしウィキペディアによれば最大勾配は三十七パーセントという箇所があるらしい。
 判りにくい道に迷いつつ国道三〇八号線に入るが、近鉄のガードをくぐるといきなり一方通行出口で進入禁止になる。看板の指示通り迂回して上り勾配にかかる。民家の間の路地を進む感じである。急坂ではお馴染みの模様入りコンクリート舗装が、雨で濡れた上に落ち葉が散っているので、時々駆動輪が空転する。MT車では基本ローギヤでなければ登れず、部分的に勾配が緩むと一瞬二速に入れる程度だ。二、三キロというのは急坂としては破格の長さだが、面白いのであっという間である。せっかくだから下ってみようと思い、信貴生駒スカイラインをアンダークロスしたところで切り返して、大阪方面へ下ってみる。下りはローギヤでエンジンブレーキをかけるが、見る見るスピードが上がってしまい、フットブレーキと併用でないと走れない。すぐに低速で走る二千CCくらいのセダンに追いついたので、余りプレッシャーを与えないように車間を保って追走する。セダンはAT車らしく、ブレーキランプが一瞬も消えないままノロノロ走っていくが、そのうちに妙な臭いが鼻につくようになる。何だろうと思いつつ走っていると、急勾配ももうすぐ終わる頃、件のセダン車が道路脇の空き地に入っていく。どうしたのかと思って見ると、前輪のタイヤハウスから白い煙が上がっている。ブレーキを踏み続けたせいで加熱し、キャリパーのグリースが焦げ始めたか何かだろう。やはりシビアな走りを要求される場合、MT車の方が安心な気がする。
 麓まで降りて、再び同じ道を上り暗峠を堪能して奈良方面へ抜けた。

 なお、この峠は国道に指定されているため、カーナビで有料道路を避ける設定にしたクルマが時々紛れ込むようだ。私が一回半通過しただけでも、途方に暮れているオバサンを見掛けたし、離合できずに数十メートル後退する場面があった。普段峠道、林道や狭隘路を通り慣れない運転士は近づかない方が賢明だと思う。

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