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2013年2月27日 (水)

パラダイスビュー(一九八五ヒートゥバーン・プロダクション)

パラダイスビュー(一九八五ヒートゥバーン・プロダクション)

ポニーキャニオンVHS(一九八五)

 一九八九年のウンタマギルーと同じ監督と同じような出演者、同じ沖縄が舞台の映画。勝手な推測だが、監督がこの映画の出来に満足していたなら、ウンタマギルーは生まれなかったのではないか。
 ウンタマギルーを何度も観てしまった後でこの映画を観ると、やはり不完全という気がしてしまい気の毒だ。物語の面白さも、幻想的な雰囲気もウンタマギルーの出来には遠く及ばない気がする。しかし、何の予備知識もなくこの映画を観れば、かなり面白いのではないだろうか。その代わり、この映画の後にウンタマギルーを観たら、初めてウンタマギルーを見た時の衝撃は感じられないかも知れない。どちらも観た事がない人にどっちを先に観るべきか問われたら、相当悩みそうな気がする。
 出演者の中では、やはり細野晴臣が足を引っ張っている感じが否めない。本土人の植物学者という、沖縄の社会での異物を演じているのだが、異物感を演じている以上に違和感があるのだ。台詞が日本語(他に日本語を喋るのはちょい役の二人のみ)な事もあり、細野晴臣が喋り出すと急に物語ではなく学者のインタビューのようになってしまう。これは演技が巧すぎるのか、下手なのかよく判らない。
 それにしても、撮影当時二十代半ばの戸川純は魅力的だ。今こうして見ると、決して美人ではないし、スタイルがいいわけでもないのだが、何ともコケティッシュである。劇中でアルバム「極東慰安唱歌」に収められている「海ヤカラ」を歌う場面があるが、体をクネクネしながら歌う様子が、ファンにとってはそこだけチルーではなく戸川純に見えてしまうから不思議である。どうでもいい話だが、私にとっての二大歌手(戸川純、さねよしいさ子)がともにクネクネ系の歌手である事が面白い。残念ながら森山直太朗は好きではないが。
 この映画もウンタマギルー同様、封切り後VHSカセットで発売されたが、それきりDVD化はされていない(ウンタマギルーはLD化している)。今回はたまたま見つけた古いレンタルVHSで観たが、画像音声ともに乱れており、決して作品の本質に触れられたとは言い難い。何とかDVD、欲を言えばブルーレイディスクで発売してもらえないだろうか。

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