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2013年5月31日 (金)

鮎釣り二〇一三

・九月十六日(月) 台風十八号

 台風が関東を縦断していった。ずっと渇水だった太平洋側の河川も、秋雨前線の増水が落ち着いていなかった日本海側の河川も、どちらも大増水した。この時期に大水が出てしまうと、鮎は一気に産卵態勢に入ってしまうはず。状況によっては一発大逆転の尺鮎狙いなどの釣行は否定しないが、ほぼ今シーズンは終了と考えていいだろう。今年の夏は本当に実り無いシーズンだった。来年は頑張ろう。

・九月一~七日 北陸鮎ツアー

 八月中旬以降、猛暑と各地からの不振情報に萎えて竿を出していなかった。九月に入り何とか確保した一週間の夏休みで、満を持して神通川周辺に赴いた。しかし、台風や秋雨前線の影響で北陸方面は大雨洪水警報の連続。各河川も大増水で、本命の神通川は九月に入ってから今日(八日)まで一度も竿を出せる日が無い。それでも万一と三日ばかり様子を見たが、四日には諦めて帰宅。残った休みで竿を手入れして片付けた。さあ、この一度しまった竿を引っ張り出す気になるのか。
 今年は全く不振だったが、九月の神通で巻き返してやると自分に言い聞かせていたので、竿も出せず戦わずして敗退した心のダメージが大きい。

・八月十一日(日) 三面川(水明橋) ゼロ

 豪雨で一月ほど釣りにならなかった三面川に釣行。ダム湖が濁っているので、水位は下がったが濁りは残っている。解禁日のような人出で専用区は諦め、昼近くに水明橋下流の瀬に入る。大勢いた先行の釣り師がどんどん引き上げていったので、探り釣りをするが反応無し。入れ替わり立ち替わり釣り師が移動してくるのは他も釣れていないからだろう。垢が全く付いていないので、釣れるのは来週あたりからか。翌日も釣りをする気でいたのだが、混んでいるばかりで釣れる気配がないので一日で諦める。

・八月二日(金) 多摩川(日野橋) ゼロ

 日野橋から多摩川を見ると、沢山の小さな鮎が苔を喰んでいる……ように見えた。急いで家に釣り道具を取りに帰り、友ルアーで釣り開始。しかし、苔を喰んでいるように見えたのはハヤで、喰み跡は無い。更には、河川工事で真っ平らに整地されてしまったので、友ルアーを泳がせられるようなポイントがほとんど無い。一時間弱やってボウズで撤収。たとえ釣れても渇水でドブ臭がひどいので到底食べる気にはなれないと思うが。

・七月二十三日(火) 桂川(鳥沢) 一匹

 十二日に追加放流した桂川へ。追加放流したというのは釣れていないということだろう。小泉オトリから川に入ると平日なのに結構な混雑。中央線鉄橋上流のチャラ瀬に入りオトリを泳がすと、無闇に元気な養殖鮎で、勝手に瀬を走り回っていきなり一匹掛かる。これは幸先がいいと思って野鮎に付け替えて続けるが、その後はさっぱり。周りも全く釣れている気配なし。相変わらずの渇水垢腐れで、追加放流分も釣れるのは釣りきられたのだろう。適度な出水でもない限り桂川は見込みなさそうだ。

・七月十七日(水) 釜無川(穴山橋) 三匹

 水の汚い川に嫌気がさしたので釜無川に向かう。穴山橋上流の堰下から釣り始める。こちらも渇水で垢腐れだが、ノロは出ていない。第一水がきれいだし、この川は砂が式根島の海岸みたいに白いので気分がいい。ほかに釣り師がいないので拾い釣りを始めると、そこそこいいペースで三匹掛かる。これはつ抜けも夢じゃないと思ったのだが、四匹目を身切れでバラして以降ピタリと反応が止まる。昼過ぎまで釣り下り、漁協前まで拾い釣りをしたがその後反応なし。

・七月十六日(火) 千曲川(大石橋) ゼロ

 毎年一度は行ってみる千曲川へ釣行。オトリ屋で聞くと、今年は水が出ていないので佐久の方では青ノロが付き始めているとのこと。川に入ってみると全面青ノロで渇水。濁った水がどんより流れている。だのに釣り師は多く、狙った場所に入れない。流れが強いので背環仕掛けで始めるが、オトリがまともに泳がないので仕方なくヘチを攻める。全く反応がないまま何度か場所を変えるがダメ。水が汚くて、立ち込んでいると全身痒くなりそうな気がする。昼前にさっさと切り上げて温泉でのんびりする。

・七月十二日(金) 丹波川(保之瀬) 四匹

 猛暑続きで釣れない桂川に見切りをつけ、涼しそうな丹波川に初釣行。下流の保之瀬に入ってみる。先行者は鮎一名、渓流一名。鮎の先行者に聞くと、「ダメ。小っちゃいのが二匹」とのこと。魚の姿も見えないし、ハミ跡も無い。期待しないで釣り始める。忘れた頃にポツリポツリ釣れる感じだが、とにかく小さい。四時間ほど竿を出して七匹掛けたが、二匹はメザシサイズ。唯一二十センチ超えでいい引きだったのは、鮎でなくハヤ。
 釣果は伸びなかったが狙い通り、涼しく、空いていて、水がきれい。これだと釣れなくても楽しい。難点は道路事情が悪く距離の割に時間が掛かること。次回は平日の通勤時間前に行こうと思う。 

・七月九日(火) 桂川(鳥沢) ゼロ

 三日連続猛暑日の三日目。釣れる気はしないが、ボーナスで新しい鮎タビを買ったので、試してみたくて桂川へ。相変わらずの渇水垢腐れで緑色の水が泡立っている。水温は二十一度と悪くないが、川の中に縄張り鮎の姿は見えず、ハヤやヤマベばかり泳いでいる。一匹目のオトリを取り出すと、鼻先と尻鰭がただれておりすぐに昇天。場所を変えて二匹目のオトリで探るが反応なし。そのまま一時間半ほど頑張ったが、あまりの暑さで昼を待たずにギブアップ。
 新調したシマノの鮎タビは大変調子がいい。フェルト底だと滑る腐れ垢も、フェルトスパイクだと結構食い付くので、足の萎えてきた中年釣り師には大変ありがたい。

・六月十八日(火) 桂川(鳥沢) 七匹

 九時過ぎに小泉オトリに到着するとクルマがいっぱい。平日なのに盛況である。ご主人によれば、昨日は四十数匹掛けた人もいたとか。助言に従って、オトリ屋前の浅い瀬を拾い釣りするが、混んでいるので動きにくい。それでも四匹ほど掛けたので、後半は少し上流の緩い流れで膝くらいの水深の場所に移動。ここは定期的に群れ鮎が回ってくるのだが、オトリには接触しないようだ。ここで何とか三匹。めざしサイズのチビ鮎含めて七匹と、自分の腕としてはまあ上出来な結果。
 フィリピン沖に台風が発生し、二十三日頃関東に接近するらしい。一度水が出てほしいが、来週はキャンプ&渓流釣りなので、そこは避けてほしい。贅沢な希望である。

・六月十二日(水) 桂川(鳥沢) 二匹

 台風接近の報道に期待しつつ桂川へ。梅雨前線が動いて小雨が降っているが、川は渇水のまま。佐藤オトリの前にはクルマが一台もなく、釣り師の姿もない。いくら雨の平日でも、この閑散とした状態は釣れていないことを物語っている。ゆっくり十一時前から始め、午前中は反応なし。誰もいないので次々ポイントを移動する探り釣りになるが、午後になってやっと反応が出る。十八センチくらいの、この時期にしてはまあまあの型を二匹釣り上げるが、三匹目はキャッチミスで後逸。三時になると反応が止まり四時納竿。
 台風は停滞しているようだが、ドカンと雨を降らせてほしい。ただ、桂川は相模湖との境に遡上不能な堰があるので、あまり降りすぎて鮎が相模湖まで流れてしまうとシーズン終了になってしまう。垢が流れて鮎が流れない程度の増水希望。

・六月七日(金) 桂川(鳥沢) 三匹

 前日が酒盛りだったため、朝寝して十時半に現地到着。からっからの渇水で、ひどい垢腐れだ。小泉オトリで年券と囮を購入し、曙橋上流の瀬で十一時釣り開始。三十分ほどで今年初の鮎が掛かる。サイズは十五センチほど。その後十六時までに合計三匹と解禁直後の平日としては不振だったが、群れ鮎は沢山いるし、超渇水の垢腐れなので、梅雨の後半で一回大水が出てくれれば俄に活気づく予感。これからが楽しみである。
 それにしても平日に釣りが出来るのはいい。高速道路は空いているし、通勤割引適用で上野原まで片道四百円だ。今期の前半は桂川に通い、後半は日本海側の天然遡上河川に遠征しようと思う。

・六月一日(土) 相模川(大島) ゼロ

 今年も恒例のボウズスタート。毎年解禁日は相模川に入って一度も釣れたことがない。前日残業と飲み過ぎで午後からのスタート。水温十八度で渇水垢腐れ。チビ鮎が沢山水面で羽虫を追っているが、友釣り師はみんな地蔵のように動いていない。一時半から四時までチャラ瀬で探ったが、二三度囮が怪しい動きをしたのみ。周りの釣り師も一匹も釣れた気配がなかった。ハミ跡のある石もないわけではないが、一雨降って腐った垢を流してもらいたいものだ。

・五月三十一日(金)解禁に当たって

 今年も待ちに待った鮎釣りの季節が来た。昨年同様、ここに釣行記録(メモ程度だが)を記していこうと思う。
 初めて鮎釣りをしたの二〇〇九年なので今年は五シーズン目だ。今までの年間成績は以下の通りだ。

二〇〇九年 釣行 十二日、計二〇匹(一日最高九匹、平均一、七匹)
二〇一〇年 釣行二十一日、計一〇七匹(一日最高三十四匹、平均五、一匹)
二〇一一年 釣行二十二日、計一四四匹(一日最高十八匹、平均六、五匹)
二〇一二年 釣行 十六日、計五十八匹(一日最高十七匹、平均三、六匹)

 三年目までは徐々に成績が上がってきたが、去年は最悪。十六日中ボウズ八日。ボウズ率五割という惨憺たる結果だった。解禁前に大雨が降ったり、夏場の天候不順があったりしたものの、平均三、六匹というのはひどい。今年は何とか挽回したいものだ。
 幸いなことに、今年は久しぶりに現場の事業所に異動となり、勤務が四週八休の不規則勤務になった。サラリーマン釣り師憧れの平日釣行が普通に出来るのである。また、去年のように解禁前に大水もなく渇水気味で、逆に遡上鮎たちは出水を待っているような状況だ。去年より良い条件で釣れるのだから、少しは上達したいものだ。そこで、今年の目標は釣行二十五日、計二百匹、一日三十匹を目標にし、ダラダラいい加減な釣りをするのではなく、一匹一匹丁寧に釣り上げる釣りを心がけようと思っている。

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2013年5月26日 (日)

エロ道祖神巡り

 九州の嬉野観光秘宝館に地味な道祖神研究のコーナーがある。昨年訪れた時にざっと見たのだが、中に「山梨県韮崎市石水の双体道祖神」というものがあった。
 韮崎を通りかかった時に石水集落をウロウロしてみたが発見できず、もう一度詳しく調べてみた。すると、関東周辺の双体道祖神の中には、結構エロ要素のあるものがあるらしい。私はこのような軽いエロ物件が好きなので、ネットで色々調べて現物を訪ねてみることにした。

・石水の道祖神(山梨県韮崎市穴山町石水)
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 高さ八〇センチくらいの石塔の根元部分に双体道祖神が彫られている。嬉野観光秘宝館の解説では、女が男の一物を握っているとされているが、摩滅が進んで判然としない。最初に探しに行った時も目についていたのだが、彫られている部分が目立たないのでただの石塔だと思って何度も通り過ぎてしまった。
 
・身禄堂の道祖神(山梨県都留市夏狩)
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 富士急行東桂駅から三百メートルほどの所にある、身禄堂というお堂の脇に幾つかの石塔類と一緒に奉られている。ネット情報によれば全裸の男女が交わっているとされているが、余りに稚拙な彫刻で子供の絵のようである。

・北大塩の道祖神(長野県茅野市北大塩)
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 北大塩の接吻道祖神として有名なもの。衣冠束帯姿の男女が向き合って接吻しているが、足が絡まっていろところがいい味を出している。

・宮原の道祖神(長野県松本市入山辺)
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 おそらくこの手の道祖神の中ではもっとも有名なものではないか。双体道祖神の本体よりも、その下に彫られた男女の姿で有名になっている。頑丈な檻で守られており、開けてほしければ集落の区長にお願いしないといけないらしい。

・岩屋洞奥の院(埼玉県本庄市児玉町小平)
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 これはおそらく宮原の道祖神のパクリで、近年の作だと思われる。宮原と違うのは上部の彫刻も凝っている点。新しいだけに摩滅しておらず見やすい。クルマを止めて山道を十五分ほど登った先にあるが、尾根道から下るアプローチもありそうである。

・神沢の道祖神(長野県松本市神沢)
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  「松本の道祖神」という本によれば、男の手が女の裾を捲っているとされているが、繭玉の棒を一緒に持っているようにも見える。普通の道端にポツンと立っている。

・落合の道祖神(群馬県高崎市倉渕町三ノ倉)
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 道祖神の里として知られる倉渕村(現高崎市)の入口にある最も有名な道祖神。男女が楽しげに交わっている表情が良く、ズバリその姿勢のわりにはいやらしく感じない。

・荷着場の道祖神(群馬県吾妻郡中之条町荷付場)
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 旧六合村も道祖神が多いところだが、この荷付場の道祖神は男女が座って抱き合っているように見える。摩滅が激しく、女の顔が割れているのが残念だが、周辺の風景が素晴らしい。すぐ近くに「男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花」のラストシーンになった上荷付場のバス停があるが、バスは廃止されてバス停も作り替えられており、風景しか偲べない。

・長平の道祖神(群馬県吾妻郡中之条町長平)
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 尻焼温泉の少し先にある。男女が寄り添って扇を持っているが、そのとぼけた表情がたまらなくいい。嫁をもらった当座、呆けたようになってしまった雰囲気で、何とも幸せそうである。

 関東近郊のちょいと行って見られるところは片付いてしまった。というより、双体道祖神自体の分布が長野、山梨、群馬あたりに集まっているので、めぼしい物は見てしまった。石仏自体にそれほど興味があるわけではないので、道祖神趣味はこれで沙汰止みになりそうな気がする。

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2013年5月24日 (金)

多摩川の河川改良工事

多摩川の河川改良工事

 去年から今年の春にかけて、多摩川の日野橋下流で河川改良工事をしていた。かなり大規模にやっていたので気になっていたが、工事が完了した様子である。工事前の多摩川の流れは日野橋直下では左岸(立川寄り)に集まっており、日野橋を超えたところで大きく蛇行して右岸(日野寄り)に集まって護岸の際に深い流れを作り、そこから中央道の橋に向かって流れが開けていた。ところが、工事完了後は蛇行していた川の氾濫原一杯を真っ平らに整地して、流芯の無いシーツを広げたような薄い流れが一面に広がっている。

130524 これなら長靴を履けば川を渡ることが出来るので、とても便利になって近隣住民も税金の払い甲斐があるというところだろう。大規模な土木工事だから数百万、いやもう一桁上の経費がかかっていると思うが、長靴で渡りたい近隣住民、施工した土建屋、魚を食べに来るカワウの三者にとってメリットがあるのだから万々歳である。もっとも、川に住んでいる魚たちにとっては、カワウの捕食から逃れられる深場が無くなって気の毒ではある。おそらくカワウの組合は国交省に袖の下を掴ませて、小魚の組合は付け届けをしなかったのだろうから仕方がない。
 もっとも、元々流れが蛇行していたのは前後の地形に由来しているので、大雨が降れば流れが河床を削って、再び蛇行した流れになることは明らかだ。その時はまた大々的に河川改良工事をやればいい。今からでも遅くないから、河川工事専門の土建屋を開業したい。

 話は変わるが、鮎釣りの解禁も近くなったので、多摩川の鮎の遡上状況を確認に行ってみた。東京都島しょ農林水産総合センターの調べによれば、今年の鮎の遡上量は五月二十四日現在で推定三百九十四万匹。昨年の千二百十三万匹、一昨年の六百九十八万匹には届かないが二〇一〇年以前に比べれば良好な遡上数である。しかしこの数値は下流のガス橋近辺の数値で、私が様子を見に行った日野用水堰あたりでは鮎の遡上は気配すら感じられない。遡上数で言えばずっと少なかった二〇一〇年には、五月に入ると日野用水堰で子鮎が群れを成して跳ね回っていたのに。これはつまり、海から遡上してきた鮎が、どこかで遡上を阻まれているのだろう。四谷本宿床止近くの看板には、多摩川の魚道整備が進んで河口から川井堰まで遡上出来ると説明されている。しかしこれが絵空事だということは、現実に鮎が遡上していないことを見れば明らかだ。そして、その理由が日野用水堰で確認出来る。堰の両脇に設置した魚道の下流側に土砂が堆積して登り口を塞いでいるのだ。

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 この魚道はハーフコーン型と言って、魚が行き来し易い実績のあるものらしいのだが、肝心の魚道の入り口が土砂で埋まっていては役に立たない。おそらく下流のどこかの堰でも同じようなことが起こっており、そこで遡上が止まっているのだと思う。魚道工事という事業が終了したら、後はどうなろうと放置したままという。典型的な役所仕事である。
 東京都内でこれだけの鮎の遡上がある河川なのだ。環境を整備して、奥多摩や秋川まで遡上出来るようにすれば釣り場として大変魅力的になり、無駄な工事や放流事業をするより良い循環が出来るはずなのに勿体ない話だ。国も漁協も予算を消化する為の事業でなく、川が自然な生産力を取り戻せるような整備事業をやってほしいものだ。

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2013年5月14日 (火)

釣り堀の愉悦

 現在私の第一の趣味は釣りである。一口に釣りと言っても様々なジャンルがあるが、メインは夏の鮎釣り、次が春の渓流釣り、ワカサギやその他淡水の小物釣り、乗合船でのアジ釣り、堤防での小物釣りなどをやる。一貫しているのは釣った魚は持ち帰って食べることだ。仕掛け作りなどの準備から、捌いて食べるまでが釣りだと思っている。しかし、釣った魚を持ち帰らない釣りもやる。それが釣り堀での鯉釣りだ。
 私が子供だった頃は、自宅から自転車で行ける範囲に沢山の釣り堀があった。ざっと思い出すだけで、現在の柴崎体育館駅の下にあった釣り堀(鯉と鮒、へら鮒)、日野橋の南詰にあった室内釣り堀(鯉と金魚)、高幡橋の北詰にあった釣り堀(鯉、へら鮒)、国立の電電公社の近くにあった室内釣り堀(金魚)、八王子の左入町にあった釣り堀(鯉)など。へら鮒釣りに興味を持ち始めた頃に中学に入り、部活が忙しくなって釣りからは離れてしまったので、へら鮒の釣り堀のことは詳しくないが、もっと沢山あったかも知れない。
 現在ではこれらの釣り堀はみんな廃業してしまった。長年通勤電車の車窓から眺めていた武蔵境の武蔵野フィッシングセンターも昨年十一月に廃業し、多摩地区の釣り堀は随分寂しくなった。今でも頑張って営業しているのは東村山の小島園、八王子の森屋荘、瑞穂の駒形つりぼり、清瀬の伊藤園、府中へら鮒センターくらいだろうか(鯉釣りの出来る釣り堀のみ)。
 へら鮒釣りはなかなか高度な釣りで、それなりの装備と技術が必要でやや敷居が高い。それに比べ、鯉釣りはお手軽なので、万人にお勧めできる手軽なレジャーだ。私が行ったことがある鯉の釣り堀は、森屋荘と駒形つりぼりだ。

 瑞穂町二本木にある駒形つりぼりは、鯉と金魚の釣り堀。鯉釣りは屋外池の他に室内池があるので、冬場や雨の日の遊び場には好適だ。ただし野外も室外も狭い池なので、竿仕掛けを持ち込むなら、野外一、八メートル、室内一、二メートル以内の竿でないと厳しい。私は室内池で一、八メートル竿を使って、買ったばかりのへら浮きを天井に当てて折ってしまった。
 八王子市西寺方町にある森屋荘も鯉と金魚の釣り堀。鯉釣りは直径五十メートルもありそうなおむすび型の広大な池で、中央に木製の桟橋が突き出している。周りは里山と静かな住宅街に囲まれており、とても長閑な雰囲気だ。池が広いので竿は一、八から二、七メートル。空いている平日なら三、六メートルでもいいかも知れない。
 たかが釣り堀の鯉釣りと侮るなかれ。仕掛けや餌を工夫し、へら鮒釣り並に魚信の見極めが出来るようになれば、確実に釣果に差が出てくる。貸し竿の素人さんたちが低調な中で、自分だけコンスタントに釣れるのは気分がいいものだ。話しかけてくる少年でもいれば、それは三十余年前の自分の姿。蘊蓄を語ったり、竿を貸してあげて、貸し竿と持ち込み竿の差を体感してもらい、釣り人口の減少に歯止めをかけるべく活動することもある。
 こんな楽しい時間が、森屋荘の場合道具餌持ち込みなら一時間七百円、二時間千円、三時間千三百円、丸一日で二千五百円。八王子駅からバスも頻繁に出ているので、本格的な釣行では不可能な、缶ビール片手の釣りも可能だ。ついでだが、八王子からバスで行くときは宝生寺団地行きに乗って陵北大橋で降りるように森屋荘のウェブサイトには書いてあるが、バスの本数が多い切り通しで降りて人道橋で北浅川を渡ると近い。この人道橋は地元有志が架けているらしいが、脇に「違法建築なので撤去するように」という警告看板が立っていて面白い。

 先日はいとこ兄妹と三人で森屋荘に行き一日楽しんできた。午前中から夕方まで頑張って三十七匹。朝は大物が連発したかと思うと、昼前後の二時間くらいは全く釣れなかったりして、なかなか難しい。私は同行者が下戸なのをいいことに着くなり缶ビールをあける体たらくで、釣りに来たのか飲みに来たのか判らないような状態だったが、実に楽しい休日を過ごすことが出来た。
 見たところ到底儲かっているようには見受けられない釣り堀だが、頑張って営業を続けてくれることを祈りつつ、鮎シーズン以外には時々通おうと思っている。
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