鮎釣り二〇一三
・九月十六日(月) 台風十八号
台風が関東を縦断していった。ずっと渇水だった太平洋側の河川も、秋雨前線の増水が落ち着いていなかった日本海側の河川も、どちらも大増水した。この時期に大水が出てしまうと、鮎は一気に産卵態勢に入ってしまうはず。状況によっては一発大逆転の尺鮎狙いなどの釣行は否定しないが、ほぼ今シーズンは終了と考えていいだろう。今年の夏は本当に実り無いシーズンだった。来年は頑張ろう。
・九月一~七日 北陸鮎ツアー
八月中旬以降、猛暑と各地からの不振情報に萎えて竿を出していなかった。九月に入り何とか確保した一週間の夏休みで、満を持して神通川周辺に赴いた。しかし、台風や秋雨前線の影響で北陸方面は大雨洪水警報の連続。各河川も大増水で、本命の神通川は九月に入ってから今日(八日)まで一度も竿を出せる日が無い。それでも万一と三日ばかり様子を見たが、四日には諦めて帰宅。残った休みで竿を手入れして片付けた。さあ、この一度しまった竿を引っ張り出す気になるのか。
今年は全く不振だったが、九月の神通で巻き返してやると自分に言い聞かせていたので、竿も出せず戦わずして敗退した心のダメージが大きい。
・八月十一日(日) 三面川(水明橋) ゼロ
豪雨で一月ほど釣りにならなかった三面川に釣行。ダム湖が濁っているので、水位は下がったが濁りは残っている。解禁日のような人出で専用区は諦め、昼近くに水明橋下流の瀬に入る。大勢いた先行の釣り師がどんどん引き上げていったので、探り釣りをするが反応無し。入れ替わり立ち替わり釣り師が移動してくるのは他も釣れていないからだろう。垢が全く付いていないので、釣れるのは来週あたりからか。翌日も釣りをする気でいたのだが、混んでいるばかりで釣れる気配がないので一日で諦める。
・八月二日(金) 多摩川(日野橋) ゼロ
日野橋から多摩川を見ると、沢山の小さな鮎が苔を喰んでいる……ように見えた。急いで家に釣り道具を取りに帰り、友ルアーで釣り開始。しかし、苔を喰んでいるように見えたのはハヤで、喰み跡は無い。更には、河川工事で真っ平らに整地されてしまったので、友ルアーを泳がせられるようなポイントがほとんど無い。一時間弱やってボウズで撤収。たとえ釣れても渇水でドブ臭がひどいので到底食べる気にはなれないと思うが。
・七月二十三日(火) 桂川(鳥沢) 一匹
十二日に追加放流した桂川へ。追加放流したというのは釣れていないということだろう。小泉オトリから川に入ると平日なのに結構な混雑。中央線鉄橋上流のチャラ瀬に入りオトリを泳がすと、無闇に元気な養殖鮎で、勝手に瀬を走り回っていきなり一匹掛かる。これは幸先がいいと思って野鮎に付け替えて続けるが、その後はさっぱり。周りも全く釣れている気配なし。相変わらずの渇水垢腐れで、追加放流分も釣れるのは釣りきられたのだろう。適度な出水でもない限り桂川は見込みなさそうだ。
・七月十七日(水) 釜無川(穴山橋) 三匹
水の汚い川に嫌気がさしたので釜無川に向かう。穴山橋上流の堰下から釣り始める。こちらも渇水で垢腐れだが、ノロは出ていない。第一水がきれいだし、この川は砂が式根島の海岸みたいに白いので気分がいい。ほかに釣り師がいないので拾い釣りを始めると、そこそこいいペースで三匹掛かる。これはつ抜けも夢じゃないと思ったのだが、四匹目を身切れでバラして以降ピタリと反応が止まる。昼過ぎまで釣り下り、漁協前まで拾い釣りをしたがその後反応なし。
・七月十六日(火) 千曲川(大石橋) ゼロ
毎年一度は行ってみる千曲川へ釣行。オトリ屋で聞くと、今年は水が出ていないので佐久の方では青ノロが付き始めているとのこと。川に入ってみると全面青ノロで渇水。濁った水がどんより流れている。だのに釣り師は多く、狙った場所に入れない。流れが強いので背環仕掛けで始めるが、オトリがまともに泳がないので仕方なくヘチを攻める。全く反応がないまま何度か場所を変えるがダメ。水が汚くて、立ち込んでいると全身痒くなりそうな気がする。昼前にさっさと切り上げて温泉でのんびりする。
・七月十二日(金) 丹波川(保之瀬) 四匹
猛暑続きで釣れない桂川に見切りをつけ、涼しそうな丹波川に初釣行。下流の保之瀬に入ってみる。先行者は鮎一名、渓流一名。鮎の先行者に聞くと、「ダメ。小っちゃいのが二匹」とのこと。魚の姿も見えないし、ハミ跡も無い。期待しないで釣り始める。忘れた頃にポツリポツリ釣れる感じだが、とにかく小さい。四時間ほど竿を出して七匹掛けたが、二匹はメザシサイズ。唯一二十センチ超えでいい引きだったのは、鮎でなくハヤ。
釣果は伸びなかったが狙い通り、涼しく、空いていて、水がきれい。これだと釣れなくても楽しい。難点は道路事情が悪く距離の割に時間が掛かること。次回は平日の通勤時間前に行こうと思う。
・七月九日(火) 桂川(鳥沢) ゼロ
三日連続猛暑日の三日目。釣れる気はしないが、ボーナスで新しい鮎タビを買ったので、試してみたくて桂川へ。相変わらずの渇水垢腐れで緑色の水が泡立っている。水温は二十一度と悪くないが、川の中に縄張り鮎の姿は見えず、ハヤやヤマベばかり泳いでいる。一匹目のオトリを取り出すと、鼻先と尻鰭がただれておりすぐに昇天。場所を変えて二匹目のオトリで探るが反応なし。そのまま一時間半ほど頑張ったが、あまりの暑さで昼を待たずにギブアップ。
新調したシマノの鮎タビは大変調子がいい。フェルト底だと滑る腐れ垢も、フェルトスパイクだと結構食い付くので、足の萎えてきた中年釣り師には大変ありがたい。
・六月十八日(火) 桂川(鳥沢) 七匹
九時過ぎに小泉オトリに到着するとクルマがいっぱい。平日なのに盛況である。ご主人によれば、昨日は四十数匹掛けた人もいたとか。助言に従って、オトリ屋前の浅い瀬を拾い釣りするが、混んでいるので動きにくい。それでも四匹ほど掛けたので、後半は少し上流の緩い流れで膝くらいの水深の場所に移動。ここは定期的に群れ鮎が回ってくるのだが、オトリには接触しないようだ。ここで何とか三匹。めざしサイズのチビ鮎含めて七匹と、自分の腕としてはまあ上出来な結果。
フィリピン沖に台風が発生し、二十三日頃関東に接近するらしい。一度水が出てほしいが、来週はキャンプ&渓流釣りなので、そこは避けてほしい。贅沢な希望である。
・六月十二日(水) 桂川(鳥沢) 二匹
台風接近の報道に期待しつつ桂川へ。梅雨前線が動いて小雨が降っているが、川は渇水のまま。佐藤オトリの前にはクルマが一台もなく、釣り師の姿もない。いくら雨の平日でも、この閑散とした状態は釣れていないことを物語っている。ゆっくり十一時前から始め、午前中は反応なし。誰もいないので次々ポイントを移動する探り釣りになるが、午後になってやっと反応が出る。十八センチくらいの、この時期にしてはまあまあの型を二匹釣り上げるが、三匹目はキャッチミスで後逸。三時になると反応が止まり四時納竿。
台風は停滞しているようだが、ドカンと雨を降らせてほしい。ただ、桂川は相模湖との境に遡上不能な堰があるので、あまり降りすぎて鮎が相模湖まで流れてしまうとシーズン終了になってしまう。垢が流れて鮎が流れない程度の増水希望。
・六月七日(金) 桂川(鳥沢) 三匹
前日が酒盛りだったため、朝寝して十時半に現地到着。からっからの渇水で、ひどい垢腐れだ。小泉オトリで年券と囮を購入し、曙橋上流の瀬で十一時釣り開始。三十分ほどで今年初の鮎が掛かる。サイズは十五センチほど。その後十六時までに合計三匹と解禁直後の平日としては不振だったが、群れ鮎は沢山いるし、超渇水の垢腐れなので、梅雨の後半で一回大水が出てくれれば俄に活気づく予感。これからが楽しみである。
それにしても平日に釣りが出来るのはいい。高速道路は空いているし、通勤割引適用で上野原まで片道四百円だ。今期の前半は桂川に通い、後半は日本海側の天然遡上河川に遠征しようと思う。
・六月一日(土) 相模川(大島) ゼロ
今年も恒例のボウズスタート。毎年解禁日は相模川に入って一度も釣れたことがない。前日残業と飲み過ぎで午後からのスタート。水温十八度で渇水垢腐れ。チビ鮎が沢山水面で羽虫を追っているが、友釣り師はみんな地蔵のように動いていない。一時半から四時までチャラ瀬で探ったが、二三度囮が怪しい動きをしたのみ。周りの釣り師も一匹も釣れた気配がなかった。ハミ跡のある石もないわけではないが、一雨降って腐った垢を流してもらいたいものだ。
・五月三十一日(金)解禁に当たって
今年も待ちに待った鮎釣りの季節が来た。昨年同様、ここに釣行記録(メモ程度だが)を記していこうと思う。
初めて鮎釣りをしたの二〇〇九年なので今年は五シーズン目だ。今までの年間成績は以下の通りだ。
二〇〇九年 釣行 十二日、計二〇匹(一日最高九匹、平均一、七匹)
二〇一〇年 釣行二十一日、計一〇七匹(一日最高三十四匹、平均五、一匹)
二〇一一年 釣行二十二日、計一四四匹(一日最高十八匹、平均六、五匹)
二〇一二年 釣行 十六日、計五十八匹(一日最高十七匹、平均三、六匹)
三年目までは徐々に成績が上がってきたが、去年は最悪。十六日中ボウズ八日。ボウズ率五割という惨憺たる結果だった。解禁前に大雨が降ったり、夏場の天候不順があったりしたものの、平均三、六匹というのはひどい。今年は何とか挽回したいものだ。
幸いなことに、今年は久しぶりに現場の事業所に異動となり、勤務が四週八休の不規則勤務になった。サラリーマン釣り師憧れの平日釣行が普通に出来るのである。また、去年のように解禁前に大水もなく渇水気味で、逆に遡上鮎たちは出水を待っているような状況だ。去年より良い条件で釣れるのだから、少しは上達したいものだ。そこで、今年の目標は釣行二十五日、計二百匹、一日三十匹を目標にし、ダラダラいい加減な釣りをするのではなく、一匹一匹丁寧に釣り上げる釣りを心がけようと思っている。
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