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2013年8月17日 (土)

川柳川柳 昭和音曲噺 夏のガーコン祭り

川柳川柳 昭和音曲噺 夏のガーコン祭り
~ 祝!つくし真打ち昇進 ~

二〇一三年八月十五日 座・高円寺2

「八 九 升」三遊亭 わん丈
「黄金の大黒」春風亭 一之輔
「 神々の唄 」林 家 彦いち
(口上らしきもの)彦いち、一之輔、つくし、川柳
「 終焉の地 」川 柳 つくし
   中入り
「大ガーコン」川 柳 川 柳

 すっかり寄席から足が遠のいている。川柳師を聞くのも二〇〇九年以来とすっかりご無沙汰している。ここ数年恒例になっているという真夏の川柳独演会だが、今年はこの秋につくしの真打ち昇進が控えているので、その前夜祭的要素も強いようだ。

 開口一番は圓丈の弟子であるわん丈。川柳に前座の弟子がいないから仲のいい元弟弟子、圓丈の弟子を頼むのだろう。思い起こせば、つくしが弟子入りする前のこの役割は同じく圓丈の弟子のにいがた(現白鳥)がよくやっていた。ネタは圓生系統の前座噺八九升。二〇〇九年の川柳独演会では三三が演じていた。聾者を揶揄する噺なので普段は演じにくいが、川柳独演会の開口一番には丁度いい。
 一之輔は真打ちになってから初めて聞く。元々ふてぶてしいキャラがいい感じだったが、真打ちになって磨きがかかったように感じる。おめでたい噺ということで黄金の大黒。最後の落げを大黒が「ガーコンガーコン」と脱穀機の真似をして「川柳の大黒」に変えていたのは大サービス。
 彦いちは嘘つきの噺。この人の噺は面白いだけでなく、何やらシュールな感じが好きだ。顔がどう見ても悪人なのもいい。菊之丞みたいな横町の若旦那風もいいが、その筋の人のような強面で、必ず袖から走って登場する雰囲気が何だかとても好きである。話の筋自体はさほど奇想天外でも、よく作り込まれているわけでもないが、実にバカバカしくて楽しい高座だった。
 一旦幕が閉まり、片しゃぎりで再び開くと下手から彦いち、一之輔、つくし、川柳の順に並んで真打ち披露口上の傾向と対策。口上と言うよりは雑談で、川柳師が真打ちになった時の話などが続く。一応最後は真面目に川柳師が口上らしきことを言って三本締め。川柳師は話し出すと次々色々な話が出てきてしまうので、本当の披露目の時はもう少し短くしないとまずいと思う。
 つくしの「終焉の地」は二〇〇九年の川柳独演会でも聞いたネタ。つくしの高座を前座の頃からずっと見ているので、どのように芸風を転換していくのか気になっている。若い頃の等身大のOL落語は新鮮だった。ウクレレ漫談をやってみたり、三題噺に挑戦したり色々試行錯誤しているようだ。お江戸日本橋亭でウクレレをラケットにしてピンポン球を客席に打ち込むという思い切ったギャグが完全に滑り、客席が凍り付いたのを目撃したのも懐かしい思い出だ。近年は行かず後家目線の噺に移行しつつあるようなので、喬太郎師が若者目線からオッサン目線に上手に移行して行っているように、佳いオバサン落語家になってもらいたいものだ。
 中入り後は川柳師の大ガーコン。始まったのが八時四十五分頃だったので、三十分弱で終わるかと思いきや、たっぷり一時間の長講。流石に八十二歳のポンコツじじいなので、途中で話がそれるとどこまでやったのか判らなくなったり、人や物の名前がすんなり出てこない事が多い。しかし、元々雑談のような噺で、途中を飛ばしたところで差し支え無い。それよりも、次々歌う軍歌の声量と声質はとても八十二の爺さんとは思えない。最後に立ち上がるところでふらついてハラハラさせるが、一時間正座してから立ち上がって、片足に重心乗せて脱穀機のポーズが出来ることは奇跡に近いと思う。流石に毎日毎日寄席で高座にかけているネタだけのことはある。川柳師も今後はこのガーコンだけに絞っていいから、ずっと寄席に出続けて欲しいものだ。
 来月からはつくしの真打ち昇進披露興行が始まる。川柳師にとって最初で最後の弟子の披露目だ。ここの所定席から足が遠のいているので、是非見に行きたいと思っている。

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