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2013年11月27日 (水)

白馬大仏

 庄川大仏から、見るべき小杉大仏をふっとばして、次に向かったのは白馬大仏。白馬というと長野県のイメージだが、所在地は新潟県糸魚川市だ。姫川沿いの国道一四八号線を遡り、県境を越えて長野県に入ったところで旧道を戻ろうとしたのだが、この旧道は土砂崩れで長いこと通行止め、というよりは復旧の見込み無く廃道になっているようで通れない。一旦平岩まで戻って旧道を辿る。
 遠目にも目立つ白い大仏は葛葉峠を背負った斜面に佇んで、姫川の流れを見下ろしていた。予備知識では白馬温泉の温泉ホテルが建立した大仏だと記憶していたが、色褪せた看板が点在するばかりでホテルは無い。もしかすると大仏の目の前の広場にホテルが建っていたのかも知れない。
 大仏はかなりの大きさで、頭が大きくコミカルな顔立ちである。クルマを止めて石段を登ろうとすると、隣の民家の飼い犬が猛然と吠えかかってくる。立ち止まって犬を見つめると、吠えるのをやめたので、「キミは大仏様の番犬かい? お役目ご苦労様」と話しかけてみる。言葉が通じるはずもないが、以降この犬は不審そうな表情ながらも吠えはしなかった。
 大仏の足下から見上げると遠くからでは気づかないことが判る。元々全体がもっと真っ白で、唇は真っ赤だったようだが、すっかり色褪せて全体として大人しい色合いになっている。白いせいで汚れが目立ち、頭の汚れが雨で流れて両頬を伝い顎の下まで筋になっている。背中には扉があり、以前は中に入れたようだが、現在は閉鎖されている。
 台座には銘板が埋め込まれており、以下の文言が刻まれている。

白馬大仏像
建立年月 昭和四十七年十月
設計者 新潟県西頸城郡青海町
    長野建築設計事務所 所長 長野登
施工者 新潟県長岡市長町二丁目
    株式会社戸貴田組 代表取締役 斉藤裕三
協力業者
長岡市 有限会社早川組
 〃  保科工業株式会社
 〃  株式会社吉岡工業
 〃  株式会社荒木家具
 〃  有限会社小林板金
 〃  藤田木型製作所
新潟市 ライト工業株式会社
東京都 林昭三

 協力者の名前ばかりで施主の名前が無いが、調べたところ白馬温泉の開祖であり、白馬観光ホテルの社長であった金田義孝により建立されたようである。因みに、長野建築設計事務所、保科工業、林昭三以外の施工、協力業者は、業態を替えている会社もあるが二〇一三年現在存続しているようである。それにしても、肝心の白馬観光ホテルが廃業してしまっているようなので、大仏自体は放置されているという表現が適当なのではないか。国道一四八号線の大所トンネルが開通して新道に移ったのが一九九四年。それまで国道沿いの大仏だったのが、行き止まりの裏道沿いになり、やがてはオーナーである目の前のホテルも廃業。今では私のような物好きか、蓮華温泉に行こうと思って迷い込んだ方向音痴の目にしか触れない状態となっている。残念だが、このまま荒廃していく運命のようだ。ただ、コンクリートの建造物は平均七十年は持つと云われている。まだ建立から四十年しか経っていないので、この地で再開発事業でも行われない限り、あと三十年くらいは黙って存在し続けるのかも知れない。

Photo
(白馬大仏)

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