« 札響の伊福部昭 | トップページ | さよならかめりあ丸 »

2014年6月 3日 (火)

北海道珍スポット巡り

北海道珍スポット巡り

北海道天徳大観音 高さ八十八メートル 一九八九年竣工

 札幌交響楽団を聴きに久しぶりに北海道に渡ったのだが、せっかくだから幾つかの珍スポットを回ろうと画策。急行はまなすで札幌に朝六時着。演奏会は午後二時からなので、その間に北の京芦別の跡地にある北海道大観音を観に行く。特急スーパーカムイと富良野線を乗り継いで芦別に着いたのが8時35分。駅前からタクシーで北の京芦別跡へ向かう。
 北の京芦別は一九七〇年に芦別レジャーランドとして開業、一九八八年に北の京芦別と改称、一九八九年に北海道大観音が建立される、北海道では最大級のレジャーランドだった。しかし、二〇〇八年に経営破綻後、所有者が次々に変わって、二〇一三年八月末をもって閉鎖された。まだ閉鎖されて一年経っていないので、珍スポット探訪で良くある惜しいけど間に合わなかったパターンだ。最も今回は閉鎖されていることを承知の上で、跡地探訪のつもりで来ている。
 宿泊施設だったらしい五重塔や三十三間堂を眺めながら大観音に向かう。かつてはこの宿泊施設と大観音の間をモノレール(遊具扱い)で結んでいたらしい。観音の正面入り口は閉ざされているが、比較的新しいラミネート加工された張り紙に「北海道天徳大観音 拝観時間 土・日曜日祭日 10:00~17:00(法要など特別な場合を除く)」と記されている。何と大観音はまだ公開されているようだ。今日は土曜日だから是非参拝したいが、10時37分の汽車で戻らないと札響の演奏会に間に合わない。残念だが仕方ない。不法侵入だが観音の足元まで入り込む。とても美しい姿をした観音像だ。背中に避難用の螺旋階段を背負っているのもイカしている。ぐるっと眺めて大観音を後にする。

 この日は午後二時から札幌コンサートホールで札響の演奏会。その後レトロスペース坂会館を訪ねる。ネット情報によれば営業時間は日祝を除き十一時から十八時半。しかし入ろうとすると「すみません、四時半で終わりなんです。片付けとかありますんで」とにべもない。時刻は四時五十分。今回のお土産は全部坂ビスケットで間に合わせるつもりだったのだが、まだやっている売店でビスケットを買う気にもならず撤収。(レトロスペース坂会館についての説明は省略)

 翌日はレンタカーを借りる。日産のデイズという軽自動車だが、アイドリングストップ機能が付いていて煩わしい。当初はゆったりしたスケジュールを組んでいたのだが、気が変わって強行軍に変更。まず定山渓温泉へ向かい北海道秘宝館跡を見物。一九八〇年の開業以来、残り少なくなった秘宝館の一つとして営業を続けていたが、二〇〇七年頃から不定期営業となり、二〇一〇年に展示物の盗難により閉館されてしまった施設だ。外の御涙観音こそ健在だが、建物は完全に廃墟と化している。入り口は閉鎖されていなくて中には入れそうだ。でも入るのはやめておこう。
 続いて定山渓温泉街を進み、岩戸観音堂へ向かう。ここは私の好きな洞窟系霊場。百二十メートルのトンネルに三十三体の観音像があるという。本堂に入ると向かって右側に洞窟への入り口があるが、扉は閉ざされており「洞窟拝観禁止のお知らせ 洞窟内は、危険な箇所がありますので安全上の理由により当分の間、拝観を禁止します。定山渓観光協会」と張り紙に書かれている。そっと扉を押してみると鍵はかかっていないようだ。ここも残念だが諦めるしかない。
 肩すかしを食らった気分で次の目的地、佛願寺へ向かう。ここには身の丈四十五メートルの釈迦涅槃像が安置されている。この涅槃像は、かつて函館の恵山モンテローザという施設にあったものだが、恵山モンテローザが倒産して廃墟となっていたところをこの佛願寺が引き取って移設したものだ。拝観したい旨申し出ると親切なおばさんが一人付いてくれて、色々説明してくれる。拝観は無料。お礼に二本百円の長い線香を買ってお供えする。涅槃像は金色だがFRP樹脂製。函館からの移送は幾つかに解体して運んだそうだ。オバサンが付いてくれるのは有り難いが、あまりバシャバシャ写真も撮れない。現在は真面目な宗教施設のようなので、丁重に礼を言って辞去する。
 続いて本日のメインイヴェント、真駒内滝野霊園へ向かう。ここは札幌郊外の大型霊園だが、本土では考えられない広さよりも、異国に迷い込んだかのようなモアイ群が有名だ。正門を入るといきなり左側にモアイ群が現れる。モアイは三十体あるらしいが実に壮観である。モアイをじっくり眺めてから、次に大仏やストーンヘンジへ向かう。まずストーンヘンジへ向かうと何やら工事中で重機が入っており、近づくことが出来ない。一部の石を下ろして何かしているのでストーンヘンジ自体の改修なのだろうか。仕方ないので霊園内をぐるっと回る。墓地は全く同じ墓石が完全な等間隔に並んでいる。個性が無くてつまらない気がするが、北海道ならではの合理的な墓地である。続いて大仏を見ようと遠くに見える大仏に向かうが、こちらも工事しているようで、大仏に向かう道が閉鎖されていて近づけない。クルマを降りて歩けば行けそうな気がするが面倒になってしまい断念。
 ここまで回って時刻は十一時前。帰りの汽車の時刻まで6時間あることを確認し、迷わずレンタカーのナビゲーションに芦別駅と入力。どうしても北海道大観音の体内巡りがしたいのだ。

 道央自動車道から国道三十八号を辿って、昨日来たばかりの北海道大観音へ辿り着いたのは十三時前。しかし、正面の門は相変わらずシャッターが閉じられている。あれはまだ営業していた頃の貼り紙だったのか。ガッカリするが、よく見ると貼り紙が変わっており「本日開館14時~15時」とされている。よかった、二時になれば入れるようだ。参拝に1時間かかるとして札幌まで二時間、五時までにクルマを返せば帰りの船には余裕で間に合う。近くの道の駅で名物と看板の出ていたガタタンラーメン(あんかけの乗ったラーメン)を食べ、セブンイレブンでコーヒーを飲んで時間をつぶす。
 二時を待ちかねて参拝へ。拝観料五百円を払ってエレベーターで二十階まで一気に上がる。大観音の胸の部分で、ベランダのような展望台に出ることが出来る。芦別の町全体が見渡せる素晴らしい展望だ。ここから緩い階段を下りながら階毎に祀られた仏像を順に拝観する仕組みである。楽に上れて展望を楽しめる。年寄りならエレベーターで下りてくることも可能だ。かなり楽しい大観音だ。
 帰ってから調べたところ、北の京芦別の内、大観音だけは石川県の宗教法人天徳育成会が所有運営しており、名称も北海道天徳大観音と改称されているようである。大仏大観音マニアの私の評価として、大きさ、姿の美しさ、設備の充実度、いずれも素晴らしく、多くの人に訪れていただきたい大観音だ。現オーナーには是非頑張っていただいて、他に何も無い土地柄、経営は困難とは思うが、是非この遺産を後世に伝えていただきたいものだ。

|

« 札響の伊福部昭 | トップページ | さよならかめりあ丸 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 札響の伊福部昭 | トップページ | さよならかめりあ丸 »