稲取航路復活
東海汽船が伊豆大島椿まつりに合わせて十三年ぶりに稲取航路を再開した。せっかくだから二月十八日の臨時江ノ島便(企画旅行扱い)と併せて乗りに行こうと予約をしたのだった。しかし、二月六日に伊東発のジェットフォイル「友」がクジラと衝突して自走不能の損傷を受けるという事故があり、江ノ島便の運行が中止になってしまった。だったらやめるかと迷うところだが、稲取便が今年限りになる可能性もある。数年前までは毎年運行していた下田便も、いつの間にか運行されなくなってしまった。江ノ島便に乗れないのは残念だが、往路を東京発の夜行に変更して大島へ向かった。
夏休み、五月の連休に次ぐ大島の観光シーズンである椿まつりだが、期間が長くダラダラやっている感じで盛り上がりに欠ける。早朝の岡田港に東京発のさるびあ丸が着いても、別段華やかな何かが行われているわけでもない。路線バスで元町港に移動し、Oで朝食。元町で朝食を取れる店はこのO(寿司屋?)と、もう一軒T(弁当屋?)がある。前回はTで朝食を取ってそこそこ満足な内容だったが、Oはひどい。焼き魚定食(七百円)を頼んだが、鯵の開きが一枚と小鉢に漬け物、アラのすまし汁。そして。ダイエット中のOLが食べるくらいのご飯。店内の壁には「ご飯のおかわり小百円、並二百円、大三百円」と貼り紙がある。定食屋がめしで追加料金を取るのを前提としている時点で、リピートを求めていない店であることが判る。こうなるとこちらも意地になるから全然満足出来ないが絶対におかわりはしない。明らかに冷凍物をそのまま焼いただけの水っぽい鯵の開きも、塩水のようなすまし汁もお話しにならない。おすすめのべっこう寿司あたりを頼めばもう少しマシなのかも知れないが、二度と行かないと思う。
夏休み、五月の連休に次ぐ大島の観光シーズンである椿まつりだが、期間が長くダラダラやっている感じで盛り上がりに欠ける。早朝の岡田港に東京発のさるびあ丸が着いても、別段華やかな何かが行われているわけでもない。路線バスで元町港に移動し、Oで朝食。元町で朝食を取れる店はこのO(寿司屋?)と、もう一軒T(弁当屋?)がある。前回はTで朝食を取ってそこそこ満足な内容だったが、Oはひどい。焼き魚定食(七百円)を頼んだが、鯵の開きが一枚と小鉢に漬け物、アラのすまし汁。そして。ダイエット中のOLが食べるくらいのご飯。店内の壁には「ご飯のおかわり小百円、並二百円、大三百円」と貼り紙がある。定食屋がめしで追加料金を取るのを前提としている時点で、リピートを求めていない店であることが判る。こうなるとこちらも意地になるから全然満足出来ないが絶対におかわりはしない。明らかに冷凍物をそのまま焼いただけの水っぽい鯵の開きも、塩水のようなすまし汁もお話しにならない。おすすめのべっこう寿司あたりを頼めばもう少しマシなのかも知れないが、二度と行かないと思う。
不満だらけの朝食を済ませて、夜行船就航時は朝六時半から営業している御神火温泉に向かう。通常千円の所、早朝料金で五百円とのことだったが、通常の千円が異常に高いと思う。打たせ湯は止まっているし、ロッカーは一回百円の有料だ。することもなく長湯をして、再びバスで岡田港へ戻る。商店は何処も開いていないので、周辺を散策して時間を潰す。力士大島伝吉の碑というのがあるが、解説板がひびだらけで判読出来ない。
稲取行きのジェットフォイルが着く時刻なので、桟橋の先で写真を撮る。見えてきたのは一番新しい「大漁」だ。東海汽船のジェットフォイルは見た目がみっともない順に「大漁」「友」「虹」「愛」の四隻だ。紫を基調とした一番まともな見た目だった「夢」は退役。ピンクが基調の「愛」はまだ許せるが、色見本のような「虹」、幼児のパジャマみたいな「友」、色弱には見えない日章旗みたいな「大漁」と、新しいものほどひどい塗装で、デザイナーの耄碌の進行が読み取れる。こんなみっともない船に乗せられるのはほぼ羞恥プレイである。ただ、ジェットフォイルは乗ってしまえば外装は気にならないが、橘丸に至っては甲板が全面真っ黄色に塗られているので、一番居心地がいいはずの甲板にいると精神錯乱を起こしそうな気がする。
暴走族みたいな「大漁」に乗り込むと客は二十人弱。せっかくの稲取航路復活だが、こんな乗客数では心もとない。僅か三十分で稲取に到着。かつては初代、二代目はまゆう丸などの小型客船が大島と結んでいたが、ジェットフォイル就航で在来型高速船と純客船航路が廃止されて定期航路が消滅していた港だ。かつてはまゆう丸が着岸していた桟橋に浮き桟橋が設置してあり、ジェットフォイルはそこに着岸する。ここで下船して特急スーパービュー踊り子二号に乗車し熱海へ移動する。今乗ってきた「大漁」が大島に戻って熱海へ回ってくる所に乗り込もうという魂胆だ。商店街でお笑いコンビ(さまぁ~ず)がロケをしていたのを横目で見ながら熱海港へ向かう。再び乗船するがこちらも乗客は三十人強くらい。稲取行きと全く同じ席に座り、初島を左舷に見ながら大島へ。再びの大島では三十分ほどで伊東行きに乗り継ぐ。今度は色見本のようで、右舷と左舷が全く別の船にしか見えない「虹」である。食堂で昼飯にしたいが時間がないので、待合所の売店で島島弁当という鼈甲寿司の弁当と缶ビールを買って乗船。伊東までも三十分ほどなのでゆっくり昼飯という雰囲気ではない。ちなみに伊東経由熱海行きの「虹」は百名以上は乗っていた感じだが、伊東で下船したのは数名だった。
改めて伊東と稲取での乗降客数を見ると、伊豆半島から大島へのアクセスは熱海一本に絞った方がいいように感じる。伊東港は貨物の取扱があるから発券業務や離着岸作業も委託出来るが、稲取はわざわざ人を配置しても採算は取れないだろう。そもそも毎年のことなのだが、大島の椿まつりとというのは全く祭り感が無い。大島公園の方へ行けば少しは観光協会がブースを出したりしているが、まつりと呼ぶには程遠く、港周辺などは幟が立っているだけで閑散としている。私は平日にしか行かないから土日の様子は知らないが、推して知るべしだろう。そもそもふた月近くもダラダラやっているのもどうかと思うし、実際に椿は満開でも、桜と違って華やかさはない。せっかく稲取航路を復活するなら河津桜と重なる時期一週間くらいに集中してやればいいのにと思う。満開の椿を見上げて、どうしても来年も椿を見に来たいと思えないのである。
改めて伊東と稲取での乗降客数を見ると、伊豆半島から大島へのアクセスは熱海一本に絞った方がいいように感じる。伊東港は貨物の取扱があるから発券業務や離着岸作業も委託出来るが、稲取はわざわざ人を配置しても採算は取れないだろう。そもそも毎年のことなのだが、大島の椿まつりとというのは全く祭り感が無い。大島公園の方へ行けば少しは観光協会がブースを出したりしているが、まつりと呼ぶには程遠く、港周辺などは幟が立っているだけで閑散としている。私は平日にしか行かないから土日の様子は知らないが、推して知るべしだろう。そもそもふた月近くもダラダラやっているのもどうかと思うし、実際に椿は満開でも、桜と違って華やかさはない。せっかく稲取航路を復活するなら河津桜と重なる時期一週間くらいに集中してやればいいのにと思う。満開の椿を見上げて、どうしても来年も椿を見に来たいと思えないのである。
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