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2018年9月11日 (火)

混声合唱団ホール・バルティカ&相愛フィルハーモニア特別演奏会

混声合唱団ホール・バルティカ&相愛フィルハーモニア特別演奏会

グリーグ/「ホルベアの時代から」組曲
マーラー/交響曲第八番変ホ長調

独唱/平野雅世、泉貴子、内藤里美(Sop.)、山本真千、大賀真理子(Alt.)、
   松本薫平(Ten.)、藤村匡人(Bar.)、松岡剛宏(Bas.)
合唱/混声合唱団ホール・バルティカ
児童合唱/池田ジュニア合唱団(指導:しぶやかよこ)、
     相愛大学附属音楽教室(指導:弓庭登美子)
管弦楽/相愛大学大学院音楽研究科<相愛フィルハーモニア>
指揮/河﨑聡

二〇一八年九月一〇日 フェスティバルホール

 二〇一八年マラ八ラッシュの第一弾は大阪の混声合唱団ホール・バルティカと相愛大学大学院音楽研究科<相愛フィルハーモニア>の特別演奏会。関西のアマチュア合唱団と音大オーケストラなので、申し訳ないが予備知識はゼロ。

 近年はアマチュア合唱団の実力が上がっている。ホール・パルディカという合唱団も、自主公演でマラ八を取り上げるだけのことはあって、声量はあるし、十分に練習している感じで、レヴェルの高い合唱だ。一方、児童合唱は頑張っていたが、混声合唱にかき消されがちだった。もっともこれは席の問題(一階前方)かもしれない。フェスティバルホールは大きさの割によく響くホールだが、まだ二回目なのでどこに座ればいいのかが判らない。
 オーケストラも健闘。時に金管がひっくり返ったりしたものの、よく頑張っていたと思う。七人のソリストも大健闘。特に良かったのは第一ソプラノとテノール。大抵の歌手が叫んでしまう、最後の神秘の合唱のハイCの音を、ノン・ヴィブラートのピアニシモで唱いきった第一ソプラノが素晴らしかった。
 指揮者は大変判りやすい棒で、大編成をしっかり纏めていた。テノールが一小節ズレたり、独唱陣が一瞬ヨレヨレになったりする場面はあったが、それ以外に大きな事故も無く、手堅い棒であった。しかし、この演奏会で不満が残るとすればやはり指揮者であろう。アマチュア相手にマラ八をやる場合、仕方ないのかも知れないが、事故を恐れてひたすら安全運転に徹してしまった感じがする。ルバートやタメが一切無い音楽作りは、手堅いと言えば褒め言葉だが、つまらないとも言えると思う。その一方で、私が一番許せないと思う、第一部最後のテンポを煽りだけはやってくれてた。他でテンポをいじるようなことが一切無いので、合唱が唱いきれないから誤魔化したと、勘ぐりたくもなる。
 その他備忘メモとして、ざっと見渡したところ、合唱は混声合唱が約二百、児童合唱が六十。オーケストラは十四型くらいで、ハープ二、マンドリン二。ティンパニは一人で、第一部第二部ともzu2は両手打ち。但し装飾音符的な打ち方をしていた。席の問題でよく見えなかったが、シンバルのzu2、zu3は一人で叩いていたようだ。絃楽器が対向配置のため、打楽器とホルンは上手側。上手ホルンは八〇年代までよく見られたが、近年では久しぶりに見た気がする。

 アマチュア合唱団と音大オケの演奏会としてはレヴェルの高い演奏会だったと思う。これを纏め上げた指揮者の手腕は賞賛されるべきだが、一方で指揮者の表現欲のようなものが感じられれば更に良かったと思う。

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