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2018年9月 3日 (月)

マラ八ラッシュ

 このブログの過去記事をご覧いただければ判るが、私は自称「マラ八マニア」である。つまりマーラーの交響曲第八番(通称「千人の交響曲」)が好きで、この曲が演奏されると聞くと、何はともあれ聴きに行くという偏執狂である。
 私の知り得た限りで、この曲は一九四九年の日本初演以来六十三回演奏されている(同じ演奏者による連続公演は一回と数えて)。年代別に見ると一九四〇年代一回、一九七〇年代三回、一九八〇年代十二回、一九九〇年代二十三回、二〇〇〇年代十五回。二〇一〇年代は二〇一八年八月現在十二回である。一九八〇年代以降、概ね年一~二回というペースである。ちなみに私は初めて聞いた一九八五年のコシュラー/都響以来二十四回、二〇〇八年以降は部分演奏を除き全て聴いている。いつの間にか「国内で(全曲)演奏される時は必ず聴きに行く」という自分ルールが出来てしまった。パスポートが無いので臺北での公演は諦めたが、パスポートがあったら行っていたかも知れない。
 そんなマラ八マニアにが困る事態がこの秋起こっている。千人ラッシュと言うべき状況が国内で発生しているのだ。この秋、マーラーの交響曲第八番を取り上げる演奏会を日付順に並べてみる。

・混声合唱団ホール・バルティカ&相愛フィルハーモニア特別演奏会
 九月一〇日フェスティバルホール
 河﨑聡指揮/相愛大学大学院音楽研究科<相愛フィルハーモニア>ほか

・東京ユヴェントス・フィルハーモニー創立10周年記念演奏会
 九月一六日ミューザ川崎
 坂入健司郎指揮/東京ユヴェントス・フィルハーモニーほか

・九州交響楽団第三七〇回定期演奏会
 九月二二日アクロス福岡
 小泉和裕指揮/九州交響楽団ほか

・びわ湖ホール開館二〇周年記念マーラー作曲交響曲第八番変ホ長調「千人の交響曲」
 九月三〇日びわ湖ホール
 沼尻竜典指揮/京都市交響楽団ほか

・東京芸術劇場 井上道義&読売日本交響楽団 マーラー/交響曲第八番『千人の交響曲』
 一〇月三日東京芸術劇場
 井上道義指揮/読売日本交響楽団ほか

・関西グスタフ・マーラー交響楽団第八回演奏会
 一〇月八日京都コンサートホール
 田中宗利指揮/関西グスタフ・マーラー交響楽団ほか

・名古屋フィルハーモニー交響楽団第四六一回定期演奏会
 一〇月一二、一三日名古屋市民会館
 小泉和裕指揮/名古屋フィルハーモニー交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団ほか

 何と約一ヶ月の間にマラ八が七回も演奏されるのである。勿論、自分ルールに縛られているので、全ての公演のチケットを入手し、遠方の公演については往復の交通手段もほぼ確保した。準備は万全である。ちなみに時期は少し先になるが、来年一月のバッティストーニ/東京フィル(新宿文化センター)もチケットは押さえている。
 七つの公演の内、アマチュアは川崎と京都。大阪はプロではないが音大のオーケストラ。これらは全く未知数で、どんなレヴェルなのか楽しみだ。びわ湖は沼尻京響だが、新星日響を振っていた頃は優等生的で面白くなかった沼尻が、久々に聴くと化けるのか否か。井上のマラ八は名古屋のアマオケで聴いて失望したが、普段振らない読響の依頼公演、期待するべきではないだろう。やはり楽しみなのは九響と名フィルを振る小泉和裕。この指揮者はスターではないが、ガッカリさせられたことがない。派手さや外連は無いが、キッチリ納得出来る演奏をしてくれる指揮者だ。マラ八を振るのは初めてだと思うが、どんな感じに纏めてくれるのか。両オケとも定期公演なので、そんなに悪乗りはしないであろうが、小泉さんにそんなことは求めていない。
 聴いた感想はここにアップするつもりだが、極端にひどい演奏だった場合は聴かなかったことにしようと思う。プロのオーケストラだとそんなことは無いのだが、アマチュアオケや合唱団の演奏を批判すると(批判するのはアマオケを振ってギャラを受け取っている指揮者で、私はアマチュア演奏者を批判しません。)、関係者から非難のコメントが殺到するからである。
 マラ八はある意味、上演していただけるだけで有り難い曲である。それをこんな短期間に立て続けに聴ける機会は二度と無いだろうと思う。幸運に感謝しながらそれぞれの演奏会を聴きに行こうと思っている。

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