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2019年1月20日 (日)

バッティストーニの千人

フレッシュ名曲コンサート

マーラー/交響曲第八番変ホ長調

独唱/木下美穂子、今井実希、安井陽子(Sop.)、中島郁子、小林由佳(Alt.)、
   福井敬(Ten.)、青山貴(Bar.)、ジョン・ハオ(Bas.)
合唱/新宿文化センター合唱団(合唱指揮・:山神健志)
児童合唱/花園小学校合唱団(合唱指揮:根本潤子)、西新宿小学校合唱団(合唱指揮:草深陽子)、
     関北みどりの風合唱団、マーガレット少年少女合唱団
管絃楽/東京フィルハーモニー交響楽団
指揮/アンドレア・バッティストーニ

二〇一九年一月一九日(土)新宿文化センター

 新宿文化センターは周年事業で「千人」をやるのが好きなホールで、私の知る限りでは一五周年(一九九四年レナルト/都響)、二〇周年(一九九九年インバル/都響)、二五周年(二〇〇四年ベルティーニ/都響)、三〇周年(二〇一〇年レナルト/東フィル)に続き今回が五回目。フレッシュ名曲コンサートは、昔は都民名曲サロンという名称だった、東京都が各自治体に助成金を出してオーケストラの公演を行う事業。今回は開館四〇周年と都助成公演の合わせ技ということのようだ。

 バッティストーニという指揮者は大好きな指揮者で、何度も実演で聴いているが、正直なところ「千人」を振るといわれてもピンと来なかった。しかし、オペラが得意な指揮者だから、特に第二部は予想外の大名演もあり得るかと、期待と不安が入り交じった感じで会場へ向かった。
 今回は一階席のかなり前の方だと思っていたら、席に着いてびっくり、張り出し舞台を使っているので最前列の真ん真ん中。目の前に嵩上げされた指揮台がドンと置かれており、七人の独唱者は見えるが、指揮者は見上げても尻しか見えない。演奏が始まると指揮台の陰に入っているので、合唱はほぼ聞こえず、独唱者と絃楽器だけが聞こえる状態。全くどうにもならない。

 鑑賞条件は最悪だったが、演奏も悪い予感が当たり期待外れ。バッティストーニがそれほどこの曲に思い入れがないのか、練習時間が足りずにやり尽くせなかったのかは判らないが、そつなく進んでいく演奏。第一部も第二部も最後でテンポを煽ってみたりするものの、取って付けた感は否めない。その他にもいくつかの面白い試みはあったし、テンポも今時の指揮者としては動かしているのだが、いつもはバッティストーニの指揮から感じられる、表現意欲に棒の技術が付いていかない感じが無く、珍しく安全運転な印象であった。
 オーケストラと合唱はよく聞こえなかったが、独唱はしっかり聴くことができた。瞑想の教父(バス)のソロが一ヶ所ヨレヨレになった以外は落っこちも無く皆健闘していた。テノールの福井敬も自己陶酔的な唱い方が少しおとなしくなった感じで、前よりはましになった感じだ。残念だったのは第二ソプラノ。声量が無い上に声質が軽すぎて重唱部分になると埋もれてしまう。ドラマティックな歌唱が求められる罪を悔いる女のソロは、頑張って唱っており下手なわけではないのだが、何とも貫禄が無いのである。この声質ならば第三ソプラノ(栄光の聖母)を唱わせればピッタリだと思うし、四番のソロはこの人で聴いてみたいと思う。これはキャスティングのミスだ。
 合唱については殆ど聞き取れなかったので詳しくは書けないが、可もなく不可もなくというところか。よく練習している感じで安心して聴けたが、音程の難しいところなどはアマチュアらしく危うかった。児童合唱は小学生主体としては大健闘していたと思う。

 舞台上が殆ど見えなかったので備忘メモも薄い。合唱団は名簿によると混声合唱が約三二〇名、児童合唱が八〇名。オケはティンパニが一対、ハープ四以外は見えなかったので不明。バンダは二階席下手側中通路。栄光の聖母は見えなかったが、下手側壁面の照明室の窓から唱っていたようだった。ソリストは指揮者を囲む形で、舞台が狭いせいか譜面台は無し。第二部では第二ソプラノを移動させて、第一ソプラノ、第一アルト、第二アルト、第二ソプラノとしていた。これは三重唱部分があるためであろう。

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