横浜みなととなみ管弦楽団第一七回演奏会
横浜みなととなみ管弦楽団第一七回演奏会
二〇二五年八月一六日 ミューザ川崎シンフォニーホール
マーラー/交響曲第八番変ホ長調
ソプラノ/見角悠代、朴瑛実、宮原唯奈、アルト/増田弥生、後藤真菜美
テノール/市川浩平、バリトン/大井哲也。バス/渡部智也
合唱/東京オラトリオ研究会(合唱指揮/郡司博)、
みなととなみ「千人の交響曲」合唱団(世話役/広瀬泰文)、
ゆりがおか児童合唱団(合唱指導/藤井大輔)
管絃楽/横浜みなととなみ管弦楽団
指揮/児玉章裕
あまり耳馴染みのないアマチュアオーケストラがマーラーの交響曲第八番(以下「千人」)を取り上げるというので聴きに行ってみた。
近年ではアマオケでも千人を演奏するのにさほど人員を増強しないのが普通になっているようだ。メンバー表を見ると第一ヴァイオリン一四名、コントラバス九名、フルート&ピッコロが六、マンドリンが二の他は最少編成の約一二〇名。合唱は混声合唱が合わせて二百強、児童合唱が二四。
久しぶりに悪い意味でアマチュアらしい千人だった。オケは頑張っていたが、金管がひっくり返ったり、縦の線が揃わなかったりで、かなり綻びのある演奏だった。指揮者は常にオケを抑え気味で進めていくのだが、声楽陣とのバランスを考えてのことなのだろうか。アマチュアなのだからもう少し思い切った演奏でもいいのにと思う。さらに、指揮者の曲に対するイメージがさっぱり見えてこなくて、何をしたいのかが伝わってこなかった。かと言って、先日聞いたオーケストラ・ハモンの指揮者のように、キッチリ纏めてオケを統率する感じでもなく、緩く棒を振っていた印象だった。
独唱者は指揮者の上下に配置。真横にいる指揮者を見なくてはならないので唱いづらそうだが、聴く立場からはこの配置がベストだ。第二部で通常第一ソプラノが唱う罪深き女と、第二ソプラノが唱う懺悔する女を入れ替えていた(役名のない神秘の合唱以降は元の第一部と同じ)のは新機軸で素晴らしい。第一ソプラノと両アルトは三重唱が多く、第二ソプラノ(懺悔する女)はソロが多いので、第二部でソプラノ二人の席を入れ替えた例は見たことがあったが、役を入れ替えるというのは誰が考えたのだろう。感心するしかない。その独唱陣はアルトの二人が素晴らしかった。中でも第一アルトは絶品。まだ若そうな歌手だが、声量表現とも素晴らしく、貫禄すら漂わす舞台姿も素晴らしかった。テノールとバリトンも好演。二人とも音域的に苦しいところはあったが表現自体は素晴らしい。法悦の教父のソロは。あの遅いテンポで良くぞ唱いきった。一方で瞑想の教父のソロは酷かった。
合唱は東京オラトリオ研究会が主体なので、人数は少ないものの素晴らしかった。毎度のことだが児童合唱は人数が少なすぎて気の毒だった。二四人中三分の一くらいは児童と呼ぶのを憚られるようなお姉さんたちが賛助出演な感じで唱っていた。この、児童合唱の払底が千人上演の最大のネックだと思う。
演奏自体もそうだが、カーテンコールの段取りの悪さなど、久々にアマチュアらしくて微笑ましくなるような場面が見られたのもいい経験と言えるかもしれない。
備忘録として。ティンパニは二組(三台か四台かは見えなかった)両手打ちあり。ただし第一部は硬い撥で装飾音的に叩いているように感じた。バンダは合唱の後ろでオルガンの下手にトランペット、上手にトロンボーン。栄光の聖母はオルガンの演奏台の位置。やはりバンダと栄光の聖母は客席側に配置するべきだと思う。
席は一階席の前方だったが、演奏中に普通に話をしている客が複数いた。特に酷かった母親と息子らしいペアは、終演後舞台に向かって手を降っていたので、出演者の関係者なのだろう。先日のハモンの演奏会でも前の方で喋ってる客がいたが、常識が変わってきているのだろうか。確かに集中力が続かない演奏であったことは否めないが。


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