2010年5月25日 (火)

どぶろく造り

 以前旅先の民宿で自家製のどぶろくを頂いた。発酵途中で丁度飲み頃と勧められたのだが、絞っていないので見た目はゆるく炊いた粥のようだった。飲んでみると得も言われぬ香りと味わい、酸味と甘味のバランスに炭酸の刺激が素晴らしく、クイクイ飲んでしまう。ところが、酒のつもりで飲んでいるのだが米粒の入った粥のようなものだから、腹にたまって大変。酔っぱらうよりは満腹感の方が強い感じだった。
 ネットでどぶろく造りについて探すと幾らでも出てきて、かなりのどぶろく愛好者がいることが判る。結構簡単に出来るようなので、自宅でどぶろく造りに挑戦してみた。

 まず米三合をかなり硬めに炊く。本当は蒸籠で蒸かした方がいいようだが面倒なので電気釜を使う。この時酒を少し加えるとよいらしい。この炊いた米を、果実酒用の広口瓶に入れ、水一、五リットル加えて攪拌する。温度が四〇度以下くらいに下がったら、米麹二〇〇グラム、ドライイースト六グラム、ヨーグルト種菌一グラム、砂糖小さじ一杯を加えて更に攪拌する。後は時々かき混ぜてやるだけでいい。
 原料の分量は色々な情報を元にして決めたが、はっきり言って適当。米麹二〇〇グラム、ドライイースト三グラム分包、ヨーグルト菌一グラム分包の単位で販売されていたので、半端を出さないようにしただけだ。

 現在三日目。最初はふつふつと発酵が始まり、米粒が浮き上がって盛んに炭酸ガスらしい気泡が発生していた。二日目あたりから、米粒の形を失った沈殿物が堆積し始め、酒らしい味がして、アルコール度数も上がってきたようだ。粥状のままでは腹にたまって仕方ないので、今日あたり絞ってみようかと思っている。所謂濁り酒と酒粕が取れるから、酒粕は魚の粕漬けにでも使ってみようかと思う。

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 なんて、全部うそ~。

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2008年11月17日 (月)

納豆作り

 東急ハンズのキッチン用品コーナーを冷やかしていると、「納豆素」なるものを発見、迷わず衝動買いして七八七円なり。

 子供の頃NHKテレビの科学バラエティ番組「ウルトラアイ」で、家庭でも出来る納豆の作り方を見たことがあった。水で戻した乾燥大豆を煮て、熱湯消毒した藁を入れて一晩保温するというものだ。子供心に「納豆菌は熱湯消毒しても死なないんだ」と思った。
 実は数年前に、このときの記憶を頼りに納豆作りを試みたことがある。藁筒入りの納豆の藁を再利用したのだが、曖昧な記憶に頼ったため二つの誤りを犯した。一つは保温時にタッパーで密封したこと。もう一つは抱えて寝て保温しようと思ったのだが、寝相が悪くて夜中に布団から蹴り出したこと。結局、少し糸を引く煮豆が出来上がった。

 今回は納豆菌を買ってからネットで色々調べたので、一応一通りの工程がイメージ出来ている。
 金曜の晩、乾燥大豆を水に浸しておく。翌土曜日、戻した大豆を蒸し器で蒸す。圧力鍋で蒸すと時間が短縮できるらしいのだが、圧力鍋はないので普通に五時間ほど。蒸し上がったら熱湯で溶いた納豆菌を振りかけて、よく攪拌する。平たい容器にキッチンペーパーを敷いた上に大豆を広げ、穴を開けたラップをかける。座布団サイズの電気カーペットに乗せて、バスタオルや半纏を掛けて丸一日保温する。
 温度管理が電気カーペット任せで杜撰だったものの、日曜日の夕方には納豆が完成した。納豆用の小粒大豆ではなく普通の大豆を使ったので、一粒一粒は甘納豆くらいの大きさだ。粒が大きいのでグリグリ掻き回して粘りを出そうとすると豆自体が割れてしまう。醤油を少しかけてから掻き回すと滑りが良くなって粘りも適度なようだ。
 味はどうかというと、大粒なのと発酵が甘い(芯まで発酵しきっていない?)せいか、豆の味がより残っている感じ。酒の肴に一粒づつ食べるのに向いているようだ。冷蔵庫で寝かすと、より納豆らしくなるかも知れない。
 今度は保温時間を変えてみたり、豆の種類を変えてみたりして、出来に差が出るか試してみたい。
 なお、安く納豆を食べたいならスーパーで、美味しい納豆を食べたいなら専門店で買うべきだ。私は勿論作る作業が面白くてやっているのである。

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2008年5月22日 (木)

ぬか床の愉悦

 地元で行きつけの飲み屋に行くと、必ずお新香を頼む。この店のぬか漬けが滅法旨いのである。そして、良心的なことに「今日は余り漬かってないよ」とか、「浅いのと深いのと二種類あるけどどっちがいい」などと、漬かり具合を教えてくれるのだ。私はよく漬かっている方が好きで、このきゅうりのぬか漬けを家でも食べたいと思ったのが事の始まりだった。
 四角い大きめのタッパーにぬか床を作って始めて見たのだが、一週間ほど経ってもただの塩漬けとしか思えない代物しか出来ない。そもそもぬか味噌の独特な匂いがしないのである。
 仕方ないので、きっかけになった飲み屋で、ご主人に事情を話していると、横から女将さんが口を挟む。
「よかったらうちのぬか床を分けてあげましょうか。うちだって四十年前にこの店を始めたとき、私の実家から送ってもらったんだから。」
 まことに有り難い申し出、というより床分けしてもらいたくて相談したというのが本音なので、喜んでぬか床を分けてもらい、我がぬか床に混ぜてみた。
 翌朝は別段変化がないまま掻き回し、夜帰宅してみて驚いた。ぬか床全体の嵩が一二割増えて、ぬか床全体が膨らんだ感じになっていたのだ。遂に乳酸菌だか酵母だかが発酵を始めたらしい。一旦始まればしめたもので、以来快調に我がぬか床はぬか漬けを生産し続け、私は朝晩ぬか漬け三昧の高塩分&手肌すべすべ生活を満喫している。
 勿論、床分けしてくれた飲み屋にも、その後の経過を報告している。しかし、元は同じはずなのに、まだ我がぬか床では、その飲み屋の「微妙な酸味とさっぱりした味わい」には遠く及ばない。まだまだぬか漬けの道は遠いようだ。

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2007年8月12日 (日)

セミの唐揚げ

 去年からやってみようと思っていた「セミを唐揚げにして食う」のをやってみました。百円ショップで買ってきた捕虫網と虫籠を持って、近所の公園でセミを捕獲。なぜか私の住む地域は昔からアブラゼミばかりで、羽の透明なセミは滅多にお目にかかれない。アブラゼミ多数とツクツクボーシ一匹を確保して持ち帰りました。

 まずはセミの羽を鋏で切り落とす。オスでジージー鳴いてる奴は、羽を半分にして猫の遊び相手になってもらいます。
 素揚げでもいいかと思ったけど、霧吹きで水を吹いて、小麦粉をまぶして油で揚げてみる。揚げ加減は判らないので表面に焦げがつくかつかないかくらいにしてみました。
 油を切って塩をパラパラ振り、丸ごと囓ってみる。ん~、普通にうまいですねえ。歯ごたえは良く香ばしい。変な臭味とかは一切無い。そりゃそうでしょう。幼時は地中で腐葉土か何かを食べ、羽化してからは樹液を吸って生きていたんだから、生臭さとかは一切無くて当然です。ちょっと揚げが足らなかったのか殻が若干残るのが残念ですが、食感は居酒屋で定番の川エビの唐揚げと大差ありません。

 まあ、見た目がいかにもなんで、他人にお勧めする気はありませんし、毎日食いたいと思うものでもありませんが、毎年夏に一二度、ビールのつまみに五六匹食べてみるといいんじゃないでしょうか。次回やるときは、塩胡椒で味付けしてから、もう少しよく揚げてみようと思います。

Semi

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2007年4月12日 (木)

春の味覚

 帰宅して玄関の扉を開けたとたん、強烈な臭いが鼻腔に飛び込んできた。母親が散歩に行って摘んできたノビル(野蒜)の皮むきをしていたのだ。この季節、そこら中に自生している野草で、球根部分が小さなラッキョウのようで、ネギともニンニクとも違う独特の臭味がある。
 そのまま味噌を付けて囓ってもよし、刻んでノビル味噌にしても良し。食べ過ぎると翌日臭くてかなわないが、春を感じさせる味覚である。子供の頃はさほどに思わなかったが、酒飲みのオッサンにとっては極上の季節の味覚だ。

 そう言えば子供の頃から、祖父に連れられて河原の土手でカラシナ(芥子菜)摘み、家族で山でフキノトウ摘み、藪でタケノコ掘り、河原でツクシ摘み、セリ摘み&ノビル摘み、保育園では線路端のヨモギ摘み、秋にはギンナン拾い。ニワトリを飼っていた頃は町内の道端でハコベ摘み。随分と野の草を摘んでは食糧にして育ってきた気がする。

 ん?、今までずいぶん野の草を食べてきたけど、これは普通の事なのだろうか。もしかすると我が家は芯から貧乏で、副食物の不足を野草摘みで補っていたのか。そう言えば幼い頃の定番のおかずは「鯨ベーコンとキャベツの炒め物」だった。
 ま、今時道端の雑草に季節を感じるのも貴重な事だから、自分の育ちが中流だったか貧乏だったかに拘るよりは、素直に季節を感じたい。ノビルを囓りながらそう思うのであります。

Nobiru

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2006年11月16日 (木)

しらす三昧

 米国在住の妹が四歳の姪を連れて帰省中で、普段は静かな家がとても賑やかだ。この姪っ子が、生まれも育ちもカリフォルニアなのに、好きな食べ物はしらすとイクラ。それくらいのものだったら貧乏伯父さんでも御馳走出来るので、家族揃って江ノ島へ出かけた。
 まずは参道近くの食堂で昼食。評判の「とびっちょ」は平日にもかかわらず大行列。一時間近く待たされそうな雰囲気だったので敬遠して、行列の出来ない食堂に入る。釜揚げしらすと生しらすの丼や、釜揚げしらすといくらの丼(各千五十円)を食べる。観光地の昼食にしては安上がりだが、かなり満足度は高い。
 続いて八坂神社の参道で土産物を冷やかしてから、新江ノ島水族館へ向かう。リニューアルしてからもう三度目の訪問だが、クラゲのコーナーが充実していて面白い。四歳児はイルカショーとペンギンに大興奮だったが、結構クラゲコーナーでもテンションが上がっていた。マニアの血を受け継いでいるのか?。
 帰りは江ノ電江ノ島駅近くの浜野水産で、お土産しらすや干物を購入。鎌倉在住の会社の同僚が「絶対お薦め」と言っていたしらすは絶品。大きいのや小さいのが混ざっているのが絶妙だ。
 これで数日はしらす三昧が続きそうだ。朝食は魚の干物、酒の肴はしらすおろし。ありがたいことである。

Photo_1 「藤浪」の釜揚げしらすいくら丼

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2006年11月 2日 (木)

アンデスの岩塩

 元同僚、今は兄妹同様(兄妹分の盃は交わしてないけど)なかんじの友達、Kクンが先日メデタク結婚。二次会パーティーのビンゴゲームで、何とワタクシ五番目にビンゴで賞品を獲得。今年の運は使い果たした感があるが、それはさておいて。
 もらったものは小型のペッパーミル。胡椒でも塩でもいいらしいので、アンデスの岩塩を入れて使ってみた。これがいいんですよ抜群に!。最近すっかりハマってます。
 まず、塩自体が美味しい。味音痴な私が言うのもおこがましいけど、JTの食塩とはまったく別物の味がする。所謂ミネラル分が多いので、不純物が豊かな味わいになるのだろう。柳家小三治師が「JTのは塩じゃなくて塩化ナトリウムという薬品」と言っていたけど、まったくその通り。さらに、岩塩を挽くので粒にばらつきがあり、細かい粒と粗い粒の溶ける速度の差が、更に微妙な味わいを加えているように感じる。
 そして、このミルの形状が素晴らしい。通常の頭をグリグリ回すタイプではなく、後ろの棒を押し込むタイプなので、ちょっと力は必要だが片手で作業が完結する。片手にトマトやキュウリを持ったままミルで塩を挽けるというわけ。これは想像以上に快適。
 更に、塩が適度に散らばるので、焼き魚の塩振りにも使いやすい。先週ウチではほぼ毎晩サンマ祭り開催中でした。
 ゲームの景品なんてたいていはその場で盛り上がってお終いなんだけど、今回はいいものをいただきました。Kクンありがとう。余談だけど、このミルで乾燥マタタビを挽いたら、猫が大喜びするかも。

Salt

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2006年9月19日 (火)

RE:唐辛子な人々のブログ

 畏友梅奴さんのブログ「豆大福生活」で、本ブログを紹介していただきました。何故か唐辛子な人々ということで、同じく畏友Mamさんのブログ「奥様はママ社長」と並んでいます。
 私は決して激辛好きだったわけではないのですが、二ヶ月前に勤務地が池袋西口から目黒東口に替わり、昼飯の選択肢の少なさから「蒙古タンメン中本」に毎日のように通ったわけです。すると以前は「蒙古タンメン」で大汗かくほど辛いと感じていたのが、近頃では最も辛い「冷やし味噌ラーメン」じゃないと辛味が足りないような気がするのです。
 決して威張れる話でもなく、軽い味覚障害のようにも感じます。しかし、じゃあオマエの味覚はそんなに微妙だったのかと問われると、マヨネーズや化学調味料が好きで、濃い味好き。煙草をやめても味覚に変化があったとは思えない。元々たいした味覚じゃないみたいだから構わないやと、開き直ってます。
 そこで、ネットで見つけた「BLAIR'S DEATH Sauce」。辛い順に「SUDDEN DEATH」「AFTER DEATH」「ORIGINAL DEATH」「JALAPENO DEATH」の四本お試しセットを二セット取り寄せてみました。一セットはMamさんに送りつけてご批評いただこうと思っています。ちなみに商品には日本語で「このホットソースシリーズで「サドンデス」ソースは想像を超える辛さであるため、特にお子様、心臓の弱い方はご使用の際には十分注意して、希釈又は調味素材としてご利用下さい。」という注意書きが貼付されていました。
 Mam姐、送るから待っててね。

奥様はママ社長 http://mampre.jugem.jp/

豆大福生活 http://umeyakko.at.webry.info/

Death_sauce

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2006年8月17日 (木)

魚食い

 勤務先が変わって渋谷・恵比寿地区の飲み屋を開拓中なのだが、ちょっと敷居が高くて入れなかった恵比寿の「さいき」に、土砂降りの雨に紛れて入ってみた。
 「生憎今日は河岸がダメで生魚が何もないんですよ」と御主人に迎えられる。創業半世紀以上、多くの文人墨客に愛された店も、荒天のせいか客は数名しかいない。
 初めての店で最初の注文をするのは緊張の瞬間だ。「ビール」と注文する。生ビールがあるのがわかっていれば「生」だが、取り敢えず曖昧に。「生ビールですか?」と聞き返されて「ハイ」と笑う。ここは生ビールのある店なんだな。
 ここのところ油っぽい食事が多かったので、今日はサッパリ魚で飲みたかったのだが、刺身が無いなら仕方ない。関サバの開きを焼いてもらう。サッパリどころか充分に脂が乗ったサバを夢中でつついていると、御主人から「お客さんうまいね」と声を掛けられる。何だか判らず顔を上げると、御主人が私の顔とサバの乗った皿を交互に見る。「魚の食べ方が上手だね」という意味らしい。カマの肉をほじくったり、骨の間の肉を前歯でしごき取ったり無意識で格闘していたようだ。友達から言われたことはあるが、飲み屋の主人に言われたのは初めてで、ものすごく嬉しくなる。「魚好きなんで」と照れて応える。
 常連客ばかりらしいのだが、(文字通りの)降りの客にもじんわり暖かい店の雰囲気は、流石は老舗だと感心させられる。ちょいと値段が高めで、ちょくちょく通うわけにはいかないが、時々飲みに行こうと思う。

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2005年7月30日 (土)

オンナ・ガイジンお断り

 昨日は江ノ島が見えるレストランでフジツボのフライを食べた。同行は同級生二名と小娘(四歳)一名。興味本位で頼んだのだが意外に旨くてビックリ。牡蠣フライと帆立フライの中間くらいの食感&味わいと言えばいいのか?。三十代には概ね好評、四歳には不評。小娘の分も取り上げて平らげる。ただし四歳児の頭の中でフジツボが正確にイメージ出来ていたかは心許ない。

 今日は新宿の「女だけと欧米人だけの客はお断り」というもつ焼き屋に行く。有名店なので敢えて名は出さないが、最初は混んでいて入れず周辺をウロウロして時間を潰す。やっと入れて、瓶ビールと煮込み三本、焼き五本、レバ刺し二本、焼酎、煮込み二本と頼んで三千五百円なり。確かに煮込みは抜群に旨かったけれど、たかがハラワタ食ってこの値段はちょいと高すぎ。地元で行きつけの「ときわ」で煮込みが、シロと豆腐がたっぷり入って三百九十円というのが快適な値段のように思う。

 酒を飲みに行く守備範囲が着々と拡がっていて面白い。基本的には家で飲む酒が好きなのだが、最近は外で一杯引っ掛けてから家でゆっくり飲むのが心地よい。

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