花粉症のレーザー治療
花粉症のレーザー治療を受けてみた。
私の花粉症歴は中学二年からで、まだ花粉症という言葉が一般化していない頃からである。以来三十年近くの付き合いである。一般的なスギ花粉に加え、ヒノキやイネ科の雑草などにも反応するので、春先から秋まで屋外に出ると症状の重い軽いはあるものの基本的に鼻を垂らしている。
今までに医者にもかかり、何種類かのアレルギー薬も服用したりしたが、副作用の少ないアレルギー薬(アレグラ、アレロック、クラリチンなど)は、野外で一度症状が出始めると無力に等しく、最終的には眠さと口の渇きに悩まされる市販薬の鼻炎カプセルに頼らざるを得ない。しかし、屋外で症状が出ている時はクルマで移動している場合が多いので、鼻炎カプセルの服用が出来ない場合も多く、タオルを鼻水でビショビショにしつつも我慢するという事も多い。
鼻の粘膜をレーザーで焼く治療法があるのは知っていたが、職場の近くに実績のある耳鼻咽喉科があり、保険適用で施術できることが判明したので、今年は思い切ってやってみる事にした。
まず説明を受けるのだが、看護師が「効果がある方は八割くらいで、何の効果も出ない方も二割程度います」と念を押す。無駄になる事もあるという事らしい。
日を改めて医者に行くと、まず鼻孔に麻酔剤を含んだ脱脂綿を詰め込まれる。そのまま待合室で二十分ほど待たされるが、前歯の裏の歯茎が無感覚になってくるので麻酔が効き始めた事が判る。続いてレーザー照射になるが、麻酔が効いているので痛さは全くなく、若干熱い感じがする程度。熱さよりは、蛋白質の焼ける独特な臭いが気持ち悪い。両鼻孔合わせて五分程度で施術は終了。これでお終いである。薬局で抗生物質と点鼻薬をもらって帰る。
この日は仕事を中抜けして施術してもらったのだが、大変なのはその後だった。麻酔が切れてくると鼻の奥に違和感が拡がり、やがてそれが鈍痛になってくる。すっかり麻酔が切れた頃には痛みが酷くなり、とても仕事どころではない。例えるなら、顔が重い生理痛になったような感じだ(生理痛になった事はないが)。堪らず鎮痛剤(イブプロフェン)を服用し、暫くすると幾らか落ち着いてきた。一晩寝ると、鼻の中の違和感は残る(カサブタが出来てくるので当然だ)が、鈍痛はすっかり消えたので一安心だ。
これからレーザー治療を受ける方は、午後に受けて、そのまま寝込める段取りにしておくことをお勧めしたい。
さて、今年はスギ花粉も多いらしい。筋金入りの花粉症がレーザー治療でどれほど変化するか。追ってご報告したいと思う。
<追記>
(六日後)
入浴後に鼻をかむと、左の鼻のいつもよりずっと奥の方から何かがズルッと出てくる。小指の先ほどのハナクソとカサブタの合いの子状のモノ。翌日には右の鼻からも同様のモノが出てくる。鼻の奥の内壁に何かが張り付いているような違和感はこれで解消した。
(八日目)
耳鼻科に経過観察に行く。ピンセットでカサブタの残りを除去してもらうが、医者からは「まだ出ますよ」と告げられ、来週もう一度来るように指示される。
それからは時々鼻をかむと奥の方からスイカの種くらいのカサブタが出るが、殆ど違和感はなく鼻の通りもいい。寒い気候が続いているので花粉症の症状は感じられず、効果についてはまだ実感無し。
(約二週間)
気温が上がり春一番が吹く。目がかゆくて仕方がないが、くしゃみと鼻水の症状は殆ど出ない。効果があったような気がするが、まだカサブタが付いているせいかもしれない。
(一五日目)
二度目の経過観察で耳鼻科に行く。小さいカサブタを吸い出してお終い。これで終わりかと思ったら、また二週間後に来るように言われる。同じ点鼻薬を処方されるが、前のを使い切っていない(とっくにやめている)ので薬局には行かず。もう無罪放免して欲しいが、医者も効果のほどを確認したいのか? 三度目の経過観察に行くかは微妙。
(花粉・煙霧)
東京が煙霧で覆われた三月十日。午前中から花粉がひどく鼻水が止まらなかったが、所用があって外出。所用を済ませ、昼から一杯やって外へ出るとさらに症状は悪化。マスクはずっと着用しているが、この酷い状況では焼け石に水。幸い煙霧のピーク前に帰宅し、不気味な空の色に恐れをなして浴室にミストシャワーを散布して籠城。今回は花粉メインではないが、さすがにあれだけ埃っぽいと、レーザー治療も役に立たないようだ。ここが試金石だったのに残念である。
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